【まふまふ】そくばくおうじ 。

7:わらってよ、おうじ ページ8

.






｢まふゆくん、私と友達になってよ。｣







ほんとうの王子はどんな人なのか
それがすごく気になるんだ。


女の子からの視線がすごいけど、
私はそんなの気にならない。

だって、元からこの学校に友達なんて居ないもん。


怖いものなんて、何も無い。








｢……それは、どうして？｣




相川くんは、笑わない。

だからこそ、私はこの人を笑わせてみたいってそう思うんだ。
いつかこの人の笑顔を見ることが出来たら、私はきっと幸せになれる気がするから。






｢真冬くんと友達になりたいって思ったの。真冬くんじゃなきゃ嫌だ。｣


｢……｣





｢私と友達になるのは、やっぱり嫌？｣







真っ直ぐ目を見てつたえれば、
人はみんなわかってくれるって

そう、信じて

私は言った。









｢……ぼくが、可哀想なの？｣

｢ちがうよ。可哀想なんじゃない。可哀想だったら声なんかかけないよ。だって私に振り回される方がよっぽど可哀想だもん。｣


｢じゃあ……｣


｢真冬くんのこと知りたい。｣




｢え？｣






｢本当に笑わないの？｣







真冬くんは笑わないって、みんなが言ってるよ。

それは本当なの？
本当は真冬くんだって、大声で笑いたいんじゃないの？








｢ただ笑ってるだけでも、福はやって来るよ｣









一緒なら、何も怖くない。

それはきっと、真冬くんに言ったんじゃなくて
私自身に言い聞かせたんだと思う。









｢僕が…………｣

｢ん？｣

｢僕が何をしても、嫌わない？｣





｢うん。私1回好きになった人は嫌いになんてなれないから。｣









.

8:ともだちのおうじ→←6:ほんとうのおうじ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す