22:早とちり、おうじ ページ24
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｢もう、騙さないでよ。｣
こっちは本気で心配したんだから。
そういう私の話を聞かず、
まふくんは購買のパンを頬張った。
｢へへへー｣
Aちゃんは、僕のこと大好きなんだね、って笑うまふくんに
私はまたしょうもないことを言い出したなってため息。
｢Aちゃん、歌ってみてよ。今。｣
｢え？｣
｢僕のバースデーまであと3ヶ月。｣
｢いや3ヶ月もあるじゃん。｣
気分がいいまふくんは、何故か急に私に歌を要求してきた。
本当に、不思議な子だ。
何を考えているか全くわからない。
｢歌ってよー、お願い！｣
｢録音とかするじゃん。絶対。｣
｢動画もダメ？｣
｢うん。SNSに載せた時点で絶交。｣
｢ってことはSNSに載せたりしなければ歌ってくれるってこと？ ありがとう!!｣
───── ダメだこいつ。
いつも思うのだが、まふくんは頭がいいと言うか、狡賢い。
私が向かう先は、いつもまふくんの思う壷。
こんなダメな女だった覚えはないけど、
まふくんがそうさせているのかな。
なんて考えながら
私は小声で誕生日に歌われるあの曲を歌った。
まふくんはキャハキャハと嬉しそうに笑う。
本当に子供だ。
こんな純粋な心の持ち主だからこそ、私はこうして友達になれたわけだけど。
｢やっぱりぼく、Aちゃんの歌好きだな｣
｢……。｣
｢ボーカルにな…｣
｢ならない｣
歌い終わった時点で、まふくんが何を言おうとしているのかが、簡単に想像出来た。
｢ぼくが言ってるのに？｣
｢ならないよ。｣
｢心配じゃないの？ ぼく、人見知りなのにステージではっぴょうだってよ。｣
｢うん、頑張って。｣
心配なものは心配だ。
だからといって、私がボーカルになるか、ならない というは別の話なのではないだろうか。
まふくんは不機嫌に頬をふくらませた。
｢僕のためだよ？｣
｢…………まふくん、私だってまふくんのことを助けたいって思うけど、それとこれとは別。｣
｢…でも、｣
｢しかももうボーカル決まってるんでしょ？｣
私が釘を刺すようにそう言うと、
まふくんは、そうだった……とまるで有名な絵画のようなポーズをした。
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山下(プロフ) - ゆんたさんの作品が大好きで一文字でも多くゆんたさんの書く文章が読みたいです。もし宜しいのであれば続編を読みたいです。 (3月31日 3時) (
レス) id: 12bd432e17 (このIDを非表示/違反報告)
めぞぴあの(プロフ) - 続編、読みたいです… (8月30日 19時) (レス) id: 269b094ab0 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 続編読みたいです！！！！！！！！！！！！！！！！！ (2023年3月25日 9時) (レス) id: 0407d7412e (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - コメント失礼致します。この作品、好みドンピシャです…！ここまで刺さる作品今まで読んだことがなかったので読んでいてとても楽しかったです！ (2022年12月31日 17時) (レス) id: cb0bd95209 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃん(プロフ) - コメント失礼します。最高の作品でした。今はパスワードがあって見られませんが、いつか全体公開にしてくださる日を待ってます！！！いつか続編見たいです！ (2022年10月31日 23時) (レス) id: 3a7614e975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆんた
| 作成日時：2018年6月19日 19時
