【まふまふ】そくばくおうじ 。

14:きょうみないおうじ ページ15

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そらるさんは、急に真剣な顔付きに変わる。

かっこいいな。
やっぱり僕とそらるさんが同じ土俵に上がって｢王子｣と呼ばれるなんて申し訳ない。





｢入ってこい。｣






そらるさんは、生徒会室ともうひとつのドアで繋がっている資料室の方へ声をかけた。


ドアを少しだけ開けて、
ひょっこりと僕達の方へ顔を向けたのは

一人の女の子。







｢こいつは、生徒会の奴なんだけど……｣



｢柊 穂花(ひいらぎほのか)です。2年生です。皆、宜しくね！｣







笑顔を向けた柊さん。

うわー、眩しい。

どこからどう見ても、みんなからの支持が沢山集まる人気者の女の子って感じだな。




僕はこういう女の子が苦手。


まだ中身もあまり知らないのに、失礼かもしれないけど……こういう女の子を見た瞬間、僕は知らぬ間に線を引いてしまうんだよね。


しかも、その線は意地でも消えない。



だから本当に不思議だ。


Aにも、濃くて太い、まっすぐな線を引いたはずなのに……
今では線がそこにあったという跡すら見つからないほどだ。








僕は、変わってるんだと思う。

世間的には可愛い女の子にも
魅力を少しも感じない。




それどころかね、こんな奴より
Aに会いたいーなんてホームシック。







他のみんなは、美人の登場に
ワイワイガヤガヤと柊さんの周りを囲み始めた。



今、Aどこいんのかな。
家に帰っちゃったかな。


さっき会ったのにまた会いたいな。









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