【まふまふ】そくばくおうじ 。

5:やさしいおうじ ページ40

【luz】





失敗から、学ばない性格。
それは世界でいちばんダメなことで。

こんな性格を治したいと心から思うけれど、簡単に治せたら人類みんな優しくなっているはずだ。





自己嫌悪。





Aちゃんがまふくんと関わってるって思ったのだって、

小さい頃から人の目ばっかり気にしていたせいでいつものように分かってしまった、ただそれだけだ。




それを……どうしてAちゃんに話そうと思ったのかは分からない。

多分俺の心の限界っていうものがあったんだと思う。





だけど、話したあとに何故か居心地が悪くなって

俺は思わず｢面白いでしょ？｣なんて作り笑い。






｢……面白くはないです。｣

｢……だ、だよね。｣


｢でも……多分、私に話しても、あなたがが望んでいる答えを言えるとは思えません。｣


｢……｣



｢だって、私はまだあなたのことを全然知らないです。良い人ってことしか。｣




｢……っ、｣


俺がいい人？






｢何を思って、俺がいい人だって……？｣

｢ただ、何となく。友達を捨て切れないのはいい人だからでしょ？｣

｢……｣





友達は多いけど、浮いた話も絶えない。
そんな俺が良い人なんて言われることは、今までに一度もなくて。

だからびっくりだ。






｢あの、もう行っていい？｣

｢……ごめんな｣

｢じゃあ。｣







Aちゃんはクールに去っていった。

ほんと、なんていうか






｢あの女カッコよすぎるやろ、｣









───── いい人、か。







まふくんがもし、Aちゃんと仲がいいのなら、その理由が少しだけ
わかった気がした。




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