2:かんけいない、おうじ ページ37
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そういえば、私の目の前に2人目の王子が現れてからというものの、まふくんにも変化が見られるようになった。
それは、言葉に出しづらい。
私からすれば何がしたいのかわからないんだけど。
「……」
「あ、何?」
そんなことを考えていると、目の前にluzさんの顔。
「何考えてんの?」
「……なんでもいいじゃないですか。」
「なんで?」
「なんでじゃないです。関係ないでしょ?」
「関係あるよ。」
もう、本当にこの人は折れることを知らないんだから。
こういう類の人は、今まで、押し続けていればどうにかなったのだろう。
いや、自分から行動しなくても相手が積極的になってくれるのかもしれない。
羨ましいからこそ、嫌い。
「……あなたに、私のことは関係ないです。」
「あるってば」
「……ないです。」
「あるって。俺たち、友達やん。」
「……」
「ん? どうしたん?」
心地よい関西弁が、右耳から左耳へと流れる。
遠のいていく意識の中、
忘れていたことが2つ。
ひとつは、昨日は課題に追われて全く眠れていなかったこと。
もうひとつは……。
私は、友達という言葉に弱いということ。
「え、Aちゃん!?」
「…っ、」
重力に逆らわず、そのまま目を閉じ、地面へと落ちていく。
最後に見たのは、
焦ったluzさんの姿だった。
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山下(プロフ) - ゆんたさんの作品が大好きで一文字でも多くゆんたさんの書く文章が読みたいです。もし宜しいのであれば続編を読みたいです。 (3月31日 3時) (レス) id: 12bd432e17 (このIDを非表示/違反報告)
めぞぴあの(プロフ) - 続編、読みたいです… (8月30日 19時) (レス) id: 269b094ab0 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 続編読みたいです!!!!!!!!!!!!!!!!! (2023年3月25日 9時) (レス) id: 0407d7412e (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - コメント失礼致します。この作品、好みドンピシャです…!ここまで刺さる作品今まで読んだことがなかったので読んでいてとても楽しかったです! (2022年12月31日 17時) (レス) id: cb0bd95209 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃん(プロフ) - コメント失礼します。最高の作品でした。今はパスワードがあって見られませんが、いつか全体公開にしてくださる日を待ってます!!!いつか続編見たいです! (2022年10月31日 23時) (レス) id: 3a7614e975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆんた | 作成日時:2018年6月19日 19時