【そらる】よく聞いて、男はみんな狼です。

38:楽しいが悲しいになる ページ38

【そらる】




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あれから俺は、Aの家へ入り浸ることが多くなった。

Aがまた、悪いことをしないようにと言って学校に迎えに行ったりもするけど


Aは深く反省していて、
元から責任感が強いから
もう二度とあんな事にはならないように、自分でも注意していると思う。





それでも俺がAの傍に居ようとするのは




他の誰でもない、
ただ、俺のため。







Aは、あんなだけど

俺が欲しい言葉を確かに知っていて
はっきりとバカ正直にモノを言うものだから





自分でもバカバカしいけど

安心しちゃうんだよな、なんか。







｢じゃあそらる、もう着いてこないでね！｣

｢お前が二度とあんなことしないって誓うならな。｣





なんて会話をしてAが学校に入っていくのを見届けた後、俺はバイトに向かった。



楽しい瞬間から一気に最悪な気分になるから、俺はこの時間がいちばん嫌いだ。

Aと別れたあとの、この時間が。








｢仕事かぁ…………｣









もうこんな時間だ。

行かなきゃならない。



いつものようにため息を吐くと、ため息はいつもよりも小さくて
自分でもびっくりした。







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