1話 ページ3
三日間の短期遠征を終えて、身体中に出来た浅い傷を撫でながら蝶屋敷へむかう。
たった三日間しか遠征に行っていないのに、来た道が懐かしく感じてしまうくらいホームシックになっていたようだ
『はぁ〜〜無事に終わってよかったですね!』
「うむ!何事も大事なくてよかった!」
少し前を歩く炎柱 煉獄杏寿郎に感想の声をかけると、いつも通りの声量で応答してくれる。
彼は俺が寝付けないとき、よく部屋にいてくれる。
まるで弟のように思ってくれているらしい。
『流石に眠たいな……』
歩いているのに重くなってくる瞼をこする。
何せ寝不足なのだ、この体は。
「眠いか!ならばおぶってやろう!」
『ダメですよ煉獄さんも疲れてるのに』
「なに、Aは軽いからな!どうってことはない!」
そう言って疲れて気の抜けた寝不足気味の身体は
ひょいと抱き上げられてしまった。
「屋敷まではもう少しだが、眠るといい!」
『ちょ、もう少しだから歩きます!』
しかし素直な体は日の光と人のじんわりとした温かさに気持ちよくなってしまい、抵抗するのも忘れてしまった。
『ん……すみま、せん』
うむ、と一言落ち着いた声で返事が返ってきたのを最後に、俺の記憶は途切れた。
「A、寝たのか、……そうか。」
煉獄は自分の腕の中で小さくなった踊柱をみて
心底いとおしそうに笑った。
「よもやよもや」
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作者名:papo | 作成日時:2019年9月10日 23時