98. ページ49
少しすると警察の人達が来たので、外に出た。
「あれ?安室さん…ですよね?」
「ああ、高木刑事。お世話になります。」
『え、れ…安室さん、知り合い?」
「まあ…ね。」
「とりあえず詳しい話は明日改めて聞かせてもらえますか?」
「分かりました。お疲れ様です。」
涼くんは刑事さん達に連れて行かれ、車に乗せられた。
去り際に特に何も言わず、こちらをただただ見ているだけだった。
『涼くん…』
零くんは私の肩に手を置いて黙って側にいてくれた。
もう外はだんだんと明るくなっていた。
「とりあえず中に入るぞ。」
零くんに促され、部屋に入る。
『心配かけてごめんなさい。』
「いや、いいんだ。もっと早くに助けられれば良かったんだが。」
零くんはまだ少し震えている私の身体をぎゅっと抱きしめてくれた。
『ううん、ありがとう。でもなんでここだって分かったの?』
「お前と連絡が取れないから店まで行って店長に聞いたんだ。店の女の子に電話で聞いたら、あのボーイの車の助手席でお前が寝てたって聞いて、方向からしてお前の家だって思ってここに来た。」
『そうだったんだ。零くんなら絶対来てくれるって信じてた。』
「全く…助けるこっちの身にもなれよ。心臓が持たない。」
言葉とは逆に抱きしめる零くんの身体はとてもあたたかくて優しくて、心地が良かった。
安心すると再び涙が出て来てしまい、怖かったんだな、とつくづく実感した。
『もうやだ。』
「あんなキチガイ男に拉致られて怖かったよな。よしよし。もう大丈夫だから。」
よしよしされるとかもう、今の私からしたら何よりのご褒美だ。
付き合っている以上こういうことは珍しくないのに、弱っている今の私にとっては零くんがしてくれること全てが嬉しい。
泣きながらも顔を上げる。
「泣くのは俺の前だけにしとけ。」
零くんは頰に落ちた涙を拭いながら私にキスをして来た。
『…ん』
「もうそろそろバイトの支度をしなきゃならないんだが、そんな顔されたら仕事どころじゃないな。」
再びキスをされ、ベッドに押し倒された。
『零くんダメ…支度しなきゃ。』
「お前を抱いてからだ。あいつに触られたところは俺が今消す。」
『でも時間が…』
彼は私の返事を無視してどんどん服を脱がして行く。
『…もう…好きにして。』
「言われなくても。」
『でも首は締めないでね。』
「あんな変態野郎と一緒にするな。」
零くんの手は優しく私を包み込んでいった。
1721人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆたろう(プロフ) - ひゆめさん» ご指摘ありがとうございます!今修正しました。呼び方気を付けていたのにうっかりしてました。今後改めて気を付けますね! (2018年6月22日 22時) (レス) id: a6d7c194db (このIDを非表示/違反報告)
ひゆめ(プロフ) - 園子の前で零呼びしてますよ…。 二人きりなら零でもいいと思うけど、外では透じゃないとトリプルフェイスの意味が 。80ペ ージ辺りです! (2018年6月22日 20時) (レス) id: d9d137c800 (このIDを非表示/違反報告)
まゆたろう(プロフ) - 雪菜さん» コメントありがとうございます(^^)いつも見てくださってるだなんて嬉しいです!これからも更新頑張りますね! (2018年5月26日 17時) (レス) id: a6d7c194db (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - 続編おめでとうございます!いつも見てます!これからも頑張ってくださいね! (2018年5月26日 10時) (レス) id: c3a4f70d7d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まゆたろう | 作成日時:2018年5月26日 0時