【神戸大助】振り向いてマイハニー【男主】 (ページ3)

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改札で引っかかった彼を見て吹き出したことはバレていないことを願う

あの後、家が意外と近所(？)だった事が判明し、神戸邸の門まで送り届けることにした
彼はいいと言ったが、夜は危ないからと半ば無理やり承諾してもらった

門が閉まるまで手を振って見送った後、可愛らしい年下スマイルをふっ、と消して自宅のマンションに足を進めた

怒りと困惑の色は、彼に気付かれなかっただろうか

──────────

乱暴にドアを開けてシャワーに向かう

勢い任せにガシガシと頭を洗ってシャワールームから出た

ずっと気掛かりだったのだ。電灯に吹っ飛ばされた時に香った香りが彼の物ではないことが。
彼に訊けば早かったのだろうが、訊かなかった。きっと取り乱してしまうと思ったからだ。

いつも彼はとんでもなくいい香りの香水に包まれているのだ。それが今日は近所のスーパーで安売りしているような庶民的な、いや殺したい程忌々しい香りが…

｢なんで加藤春の匂いが…？｣

加藤春。警視庁「現代犯罪対策本部準備室」所属。
神戸さんの部下、バディ、という立ち位置で僕よりも神戸さんと付き合いが長く、いつも金魚のフンのように神戸さんにくっついてる控えめに言って死んで欲しい男。

イライラを抑えられず、洗濯機に八つ当たりする

｢(寄りにもよって加藤春？くたびれ三十路のダッサいくっさいジャケット着たクソダル熱血の加藤春？？？？ありえない最悪だ死ね！)｣

もう我慢できない、と半裸のままスマホを掴んで某メッセージアプリから｢加藤春｣の名前を探して通話の文字を押した