【名探偵コナン】続・降谷さん！いい加減にしてください！！【警察学校組】

番外：とも限らない１ ページ25

◆時間軸は組織壊滅後。



会計課の岡本Aという人物を一言で表すなら？と問われれば、9割の者が"才色兼備"と答えるだろう。


仕事は出来るし、怒らせると怖いが美人。喋ると少し残念な部分があるのは同期や一部の後輩たちしか知らないから、結果彼女のイメージはそんな感じになっている。


ぴしりと着こなしたスカートスーツ、ヒールを鳴らして歩く細い脚。きりりとした表情。ちょっとやそっとじゃ動揺しない鋼のメンタル。



だから当然、彼女の赤面姿なんて見た事もないし、ふわふわした口調なんて聞いた事もなかったのだがーーー



『失礼しまぁす...あ、いたぁ良かった！諸伏くん、』
「え"っ、A！？どうした！？？」



ガン！と開けたドアに肩をぶつけながら公安部に入ってきたのは見慣れたはずの彼女。


けれど、マスクで大半が隠れているにも関わらずその顔が真っ赤なのは一目瞭然で、思わず隣にいた風見もぎょっとしたように資料を机に置き駆け寄ってくる。



「岡本さん！？大丈夫ですか？熱が！？」
『あ、風見さん...おつかれさまです...熱は...どうでしょう？』
「どうって、計ってないのか？」
『ううん...なんか目で見ちゃうとさぁ、自覚するでしょ？』
「「(つまり熱はあるんだな...)」」


分かるけどダメなパターンじゃねーか、と風見と諸伏は心の中で呟く。


『あ、大丈夫ですよぉ？インフルじゃないのはちゃんと検査してから出勤したので...』
「「そういう問題じゃありません」」
『ええ...だって月末、うちの課が忙しいのは知ってるでしょう？』


そう言いながら目当ての書類を諸伏に渡し、ふぅ、と息を吐く。すかさず風見が近くの部下からデスクチェアを借り彼女に腰掛けるように勧めた。


『ありがとうございます、風見さんは優しいですねぇ...』
「(くっ、赤面上目遣い可愛...じゃない降谷さんに殺される)い、いえ...」
「ごめんな？俺とかが書類ミスったり期日ギリで出すから出勤したんだよな...」
『ううん、他にもあったし...諸伏くんはすぐ素直に謝ってくれるからいいな...』
「(ぐっ、可愛い...じゃなかった！！)い、今直すな！」


そうしている間にも、廊下の自販機で買ってきました！とホットミルクティーを渡す公安モブA、寒くないですかとマフラーを差し出してくるモブB、市販薬ならありますけど、と何種類か見せてくるCとその前に何か胃に入れないと、とメイトカロリーを鞄から出すD。

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