【名探偵コナン】降谷さん！いい加減にしてください！！【警察学校組】

番外：年甲斐もなく大喧嘩３ ページ46

「っはー...相変わらず緊張感半端ねぇなあの人」
「あぁ...だが思わぬ許可も得られたな、ヒロ」
「分かってるって」


ちゃんとお前のお姫様、助けてやるからさ、そう明るく言ってみせた諸伏に素直に頼んだぞ、と返した降谷に、風見だけが目を丸くする。



「で？どうやって割り出すんだ？彼女達が監 禁されている場所は」
「あぁ...実は以前、阿笠博士に頼んで小型GPSを作って貰っていてな...」


そう言って私物のノートパソコンを操作し始めた降谷の後ろに周り、画面を覗き込む公安2名。


パッと地図が画面一杯に表示され、その中心にポン、と赤い点滅が現れた。



「これが岡本さんの現在地という事ですか？...あの、それでは現在駆け回っている捜査官達は...」


少し言い辛そうに尋ねた風見を横目に、諸伏は内心ため息をついた。まぁ、この幼馴染はこう見えて過保護な部分があるから、分からんでもないが、と。


やはり、何も知らされず走り回っている捜査官達が気の毒ではある。


「ON／OFFの切り替えボタンは本体にあるからな。A本人が押さないとならないから、確実に把握出来るまでの間、捜索自体は必要だと判断した」
「な、なるほど...」


やはり考えあっての事、この上司の傍若無人ぶりは身をもって知っていたけれど、良かった、ちゃんと冷静に行動されていたんだ、と風見は胸を撫で下ろしたのだが。




「それに風見、お前は捜査の為とは言え部下に言えるのか？」
「はい？」
「自分の恋人に盗聴器と発信器しかけてます、って」
「いっ...言えない、です...」


そう振り向きながらしれっと言った総指揮官の表情は、何言ってんだこいつ、という呆れたようなもので。


あれ、何だか、目の前の降谷零という男の事がよく分からなくなってきた、と脳内を整理しようとした風見の肩に、ポン、と諸伏が手を置いた。






.





一方彼女は、ふつふつと沸き立つ苛立ちと、断続的に襲う睡魔と戦っていた。


せめて拉致されるのが、休み明けだったら良かったのに、と。珍しく1徹で公休日を迎えられると喜んでいた帰り道に事件に巻き込まれたのである。


普段ならば仕事をしているので起きていられるけれど、気絶しているフリをし続けるうちに本当に寝落ちしてしまいそうで。


けれど、これでも警察関係者の内のひとりとして、呑気に寝こけるよりも犯人達の会話を盗み聞きする方がマシだろうと思ったのだ。

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