番外:年甲斐もなく大喧嘩2 ページ45
その時、ギィ、と音を立てて捜査本部の扉が開かれた。逆光で顔は見えずとも、その独特なオーラとシルエットで、誰だか予想はつく。
「くっ、黒田管理官!?」
思わず風見がそれを声に出し、姿勢を正す。
それに習って諸伏も降谷も立ち上がり、綺麗な敬礼をしてみせた。
「...災難だったな」
「...いえ、」
「どうだ?目処は立ちそうか?」
黒田が彼女の事を気にかけているのは、薄々気がついていたが、こうもあからさまな気遣いを見せるとは。
しかし、目の前の男がどういう性格をしているのかは、例の組織の1件で嫌という程分かっている。
「彼女の処理能力の高さを考えれば、失うには惜しい人材だ」
「...はい」
「だが、犯罪組織の主犯の釈放など、日本警察の名にかけて易々と出来ることではない」
「承知しております」
では、任せていいな?と念を押す彼の瞳が、ギラりと圧を放った。
「諸伏」
「はっ」
「...遠距離からの独断発砲許可を出す...意味、分かるな?」
「はい」
つ、とこめかみを流れた汗は、その圧に押されたからか、或いは武者震いのようなものか。
どこか満足そうに頷いた黒田は、健闘を祈る、そう言い残して再びドアの向こうへと消えていった。
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MEGUMI(プロフ) - 応援してます!! (2019年11月8日 17時) (レス) id: 3874b072b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - MEGUMIさん» コメントありがとうございます!!自分のテンション上げて書いていきます!← また良かったらお付き合いください〜! (2019年11月8日 15時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
MEGUMI(プロフ) - 全て読みました!めっちゃ面白い!!!早く続きが読みたいなぁ…(笑) (2019年11月7日 15時) (レス) id: 3874b072b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - sachocoさん» コメントありがとうございます!!勢いだけで詰めが甘くてすいませんと思ってたのでコメントに凄く励まされました(´TωT`)今後もポツポツ更新頑張ります!宜しければお付き合い下さいませ! (2019年11月4日 18時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
sachoco(プロフ) - はじめまして!めちゃくちゃ面白くて、一気に読んでしまいました(^o^)今後の展開もとても楽しみにしています!素敵な作品をありがとうございます。 (2019年11月4日 1時) (レス) id: 6ffe0b9ea7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユナ | 作成日時:2019年11月1日 3時