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シャワーから出れば、髪を乾かし終えたらしい彼女が部屋着らしいワンピースへと着替え、テーブルへとなにやら用意しているところだった。
『勝手にルームサービス頼んじゃった。嫌いなものはない?』
「...大丈夫だ、ありがとう」
幾つかの酒のボトルと、ツマミ、軽食。
そういえば、昼以降何も食っていなかったな、と思いつつ、席に着いて疑問を口にした。
「なぁ、聞いていいか?」
『...答えられるものなら』
その返答が、なんとも彼女らしくて笑いを堪えた。
らしくて、と思える程彼女の事を知らないけれど。
「いや、一昨日と違ってよく話してくれるからさ。それに今日、最後ナイスアシストだったからそれが気になって」
注いでくれたグラスを傾ければ、怪訝そうな顔をしながらもカチリと合わせてくれて。
けれど問えば思うところがあったのか、あぁ、と呟き一口煽る。
『...信用出来るか分からない相手に、ファーストコンタクトで愛想を振りまく必要性が感じられなかったから』
「...成る程な」
『その口振りだと、貴方の身近にいるの?猫被りの上手い人でも』
「!」
たったそれだけの会話で、確信を突いてくるような質問に内心どきりとした。
脳裏に映るのはもちろん、ハニーフェイスでキラキラとした余所行きの笑みを振りまくアイツーー降谷で。
『...別に詮索したい訳じゃないの。気を悪くしたなら謝るわ。最後のアシストは...』
「あぁ」
『...ライに、貴方のスナイパーとしての腕を聞いていて。日本人にしては腕が立つと言っていたから、』
まさか、2人してヤツに頼っていたのか、という事と、そのような話をするくらいは仲が良いのか、という事に驚く。
『...躊躇っているようだったから、何処か悪いのかと思って。思いつきでやってみただけ』
長距離狙撃にはそれ程詳しくないから、とカシューナッツをカリ、とかじりながら、何でもないように言うけれど、それが凄いと気づいていないのだろうか、と。
よく見ているんだな、と何となしに呟けば、自分の命を預けているのだから当然だと返ってきて。
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えぬ(プロフ) - ユナさん» 初めまして!いつも楽しく見させていただいてます!あの、新しい小説のリクエストってしてもよろしいでしょうか? (2022年6月1日 22時) (レス) id: 619e2b7b7b (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - ムスメ3さん» 見返し!!ありがとうございます(´TωT`)間が空くと分からなくなりますよね、すいません(´TωT`)コメント凄く励みになって嬉しいです!ありがとうございますm(_ _)m (2019年10月28日 1時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 久しぶりに見返しました!とても面白いです!これからも更新頑張って下さい! (2019年10月27日 23時) (レス) id: 64e9274118 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - ムスメ3さん» コメントありがとうございます!間空いてしまってすみません!イチャついてから完結させますのでまたお付き合い頂けると幸いです! (2019年10月27日 9時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - どうなっちゃうのか楽しみすぎます!頑張ってください! (2019年8月24日 22時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユナ | 作成日時:2019年7月29日 11時