【名探偵コナン】僕があいした、ただひとりの君へ【スコッチ】

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ーー20年前の、聖夜の事でした。



雪が舞ったホワイトクリスマス。


並び建つ家々は何処も彼処も賑やかで、食卓にはご馳走が並び、子供たちはサンタの訪問を夢見ながらはしゃぎ、家族でゆっくり過ごす夜。





数日前、イギリスのクリスマスマーケットを堪能しようと、家族を連れてアメリカから渡英したとある男が居ました。


母国とは違う風景。街はクリスマス一色で、見ているだけで楽しいその独特の雰囲気に、彼の妻も、子供たちも、とても喜びました。


予約したクリスマスディナーを堪能し、さて、宿泊するホテルへと戻っていた時です。




どの家からも漏れる光はオレンジ色なのに、1軒、真っ赤に染まるそれ。隣家とは少し離れた豪邸が、炎に包まれているのに最初に気がついたのは、外を歩いていた彼らでした。


妻に999番と避難を指示した男ーーFBI捜査官は、果敢にも屋敷へと足を踏み入れます。
そこでまだ炎に巻かれていないカーテン越しに見えたのは、銃口を向けられた、幼い少女の姿。


彼は、迷わずジャケットの胸ポケットから銃を取り出すと、庭に置いてあったレンガで、その窓ガラスを破ったのでした。





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ーー両親を失った金髪碧眼の少女は命こそ助かりましたが、また狙われる心配をした親族は、国外への避難を勧めます。



屋敷に火を放った者が手にしていた薬。
それがとある"組織"から入手したものだと口を滑らせた犯人の言葉を、幼い彼女は確かに覚えていました。




だから、彼女は避難先に、自由の国・アメリカを選んだのです。

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