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『私、ちょっと潔癖なところがあって。嫌だったんです、どこの誰のものかも分からないモノを、そのまま自分の鞄にしまうのが』
少し距離があったから、手で持っていてスられても困るので、そう愛想よく微笑み返せば、一瞬答えに詰まったようで。
タイミングよく鳴り出した固定電話に、マツダさんが出る。ガタリ、と椅子から立ち上がった私をもう引き止める術が無くなったのか、フルヤさんからご協力ありがとうございましたと返ってきた。
『...It is from conscience to have delivered.(...届け出たのは良心からよ。)
「なっ、」
それじゃ、お仕事頑張ってくださいねと付け足して閉めたドア。彼は追ってこない。
アメリカ英語とイギリス英語の最大の違いは"r"の発音だ。綺麗な発音はイギリスのそれだった。色と稀にある僅かな匂いで、あれがヘロインだと見抜くなんて、最近の警察学校はどんな訓練をしているのだろう。
そう聞こうとした相手を思い浮かべて、やっぱり辞めようと思ったのは、彼ーー
さて、旅行最終日。まずは遅くなったブランチを取って、東都タワーにでも行ってみようか、そう気を取り直して、広がった青空を見上げた。
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成る程、やっぱり人間の第六感的な物はそこそこアテになるらしい。
先日思い出したのは、数年前の懐かしい夏の出来事だった。
優れた洞察力、知識、推理力を持っていそうだった金髪の日本警察官、Mr.フルヤ。
今は出世して刑事にでもなっているのだろうか、もしくは麻取にでも転職しただろうか。なんて考えながら、ベルモットに指定された場所まで向かえば、なんという事だろう。
口元を引き締め、"キャロル"になりきれ。
あの日の私は黒髪茶眼だった。
それなりの月日も経っている。
大丈夫、今の私はーー"彼"とは初対面だ。
「次の任務は貴方達2人でやってもらうわ」
「初めまして、バーボンです。どうぞよろしく」
『...初めまして。キャロルです、こちらこそよろしく』
こんなところにまで来るなんて、公安?
随分とスピード出世じゃない。
残念ながらライと接触するスケジュールは大分先になりそうで、心の中でため息をついた。
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えぬ(プロフ) - ユナさん» 初めまして!いつも楽しく見させていただいてます!あの、新しい小説のリクエストってしてもよろしいでしょうか? (2022年6月1日 22時) (レス) id: 619e2b7b7b (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - ムスメ3さん» 見返し!!ありがとうございます(´TωT`)間が空くと分からなくなりますよね、すいません(´TωT`)コメント凄く励みになって嬉しいです!ありがとうございますm(_ _)m (2019年10月28日 1時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 久しぶりに見返しました!とても面白いです!これからも更新頑張って下さい! (2019年10月27日 23時) (レス) id: 64e9274118 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - ムスメ3さん» コメントありがとうございます!間空いてしまってすみません!イチャついてから完結させますのでまたお付き合い頂けると幸いです! (2019年10月27日 9時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - どうなっちゃうのか楽しみすぎます!頑張ってください! (2019年8月24日 22時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユナ | 作成日時:2019年7月29日 11時