【銀魂】問題児と同居生活はじめました。

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高杉side








俺は無愛想だ。目つきも悪ィ。





周りの大人からは ”冷酷な御曹司“ なんて呼ばれていた。







うんざりする毎日。



財閥の跡取り息子として生まれた俺は礼儀やマナーを両親に強く教えられた。


沢山の習い事。
やりたくもねェもんをやらされる日々。








8歳の俺にしては荷が重かった。








んなことなら、生まれてこなければよかった。


そう思ったこともある。








10年前。


アイツと初めて出会った創立記念パーティー。






大勢の大人で賑わっている会場内に1人だけ俺と同じくれェの女がビュッフェの食いもんを豪快に頬張っているのを見つけた。


俺はそれを傍から眺めていた。





上品とは言い難いアイツの振る舞いに、本当に御令嬢なのか？と疑ってしまった。







すると俺の視線を感じ取ったのかバチッと目があってしまう。





すると奴は座っていた椅子から降り、こちらに歩いてきた。









『ねえねえ』

「…んぁ？」

『これあげる』




そう言って手を差し出して丸い何かを俺の手の平に置く。




『これはね、モスアゲートっていうパワーストーン。ほら見て、君の瞳の色にそっくりじゃない？この石はね、自然の癒しを感じさせてくれるの』

「…詳しいんだな」

『まあね、お母様がパワーストーン好きでさっ。だからこれ君にあげる。



なんだか疲れてそうに見えたから、ね？』





そう言った彼女は首を傾けてニコリと笑った。険しい表情を軽く和らげて、眉間に寄せていたシワを解した。


その優しい表情に俺は一瞬にして心を奪われてしまったのだ。普通の女に。






それと共に俺は感心した。
今日初めて会ったコイツに見抜かれている。






喉元からククッと笑いが溢れる。







「ああ、ちゃんと受け取っておくぜ」

『そう、良かった』





そう言ってまた俺に微笑みかけた。









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俺は制服のポケットに入ったストーンを握りしめる。


また彼奴の笑顔を見れるように、と。








まあ、






『ちょっとこれどこに向かってんですか………って聞いてます！？』







今みたいに焦ってる顔も悪くねェかもな。







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