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「どういうつもり?悟」
「ああ?」
今帰ってきたのだろうか。自室に行こうとしていた悟を呼び止めると
不機嫌そうに足を止めて私の方に振り返る。
「君、本当に付き合ったのか」
「そうだけど?」
当然のように話す彼に少し苛立つ。
あの時、平然と話していたAの表情はほとんど変わらなかったが、どこか哀愁漂うような横顔をしていた。
「そう…」
「なに?何かあるならはっきり言えよ」
「いや?君とはあまり争いたくないんでね」
「…どういうことだよ」
本当は悟とAがこのまま上手くいけばいいと思っていた。
その癖に彼女まで作って、君は何がしたいのか。
「素直じゃないね、君も」
「はあ?さっきから何が言いたい」
「悟が付き合ってくれて良かったよ。これで心置きなく近づける」
'' Aに ''
そう彼女の名前を出した途端、空気が変わった。
いつも暴言ばかり吐いているが、悟がAを特別扱いしているのは事実だ。
他の女とは違う。
「…趣味悪ィな、傑」
「そう?本気だよ、私は」
決して目の逸らすことのない。
鋭い視線が互いの身体に刺さり合う。
「はぁ、あっそ。勝手にすれば?」
そう言い終えるとスタスタと歩いて行ってしまった。
一人残った廊下で、思わず笑いを溢した。
「よく言うよ、そんな顔をして」
まるでお前には渡さない、とでも言うように。
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皐摩(プロフ) - 胸がギュンギュンしました… (2022年2月15日 19時) (レス) @page50 id: c69f5fedc2 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - めっちゃ面白いです。 (2022年1月15日 15時) (レス) @page47 id: ea5533ef50 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 恵 - 目頭が熱盛(?) (2021年10月12日 20時) (レス) @page13 id: f5505c766c (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 莉亜さん» ご声援ありがとうございます!夏油ルート検討してみようと思います!! (2021年9月29日 2時) (レス) @page41 id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - えっ好き() (2021年9月23日 22時) (レス) @page38 id: 160a7ef55b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロゼ | 作成日時:2021年2月20日 21時