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その夜。
特にする事もなく、私はベッドに寝転んでボーッとしていた。
そういえば、五条は上手くいったのだろうか。
なんとなく気になってしまった。
『ああっ、やめやめ』
雑念でも払うように首を振った。
と、その時コンコンと2回ノックが鳴った。
ベッドに預けていた重い身体を渋々起こして扉を開くと
「やっ」
『げ』
何でこういう時に限って会いたくないやつに会っちゃうのかな。
『お帰りください』
五条と目があった瞬間、即座に扉を閉めようとするが
隙間に挟まれた足が邪魔で閉められない。
『ちょっと!長い足閉まってくんない?』
「それ褒めてるよね?ってことで、お邪魔〜」
扉を押さえ込んでいたにも関わらず、私は彼の足一本の力に負けてしまい、ドカドカと部屋に入り込んできてしまった。
どんだけ怪力なんだよ、こいつ。
「なんかちょーだい。ココアとかないわけ?」
『…ったく、あんたって奴は』
その図々しさに腹を立たせながらも、コップを取り出している私はなんて優しいのだろうか。
『で?どうだったの、デートは』
「あー、まあ楽しかった。でっけぇ魚いたし」
『水族館か』
私もいつ行ったっけ。前に行ったのは小学生の頃だったかなぁ。
なんて、ココアを淹れながら記憶を辿る。
「ほらよ、お土産」
と、乱暴に投げ渡され慌てて手でキャッチする。
その中身を開けば、
『えまって、なにこれ』
「なにって、ナマコのキーホルダーだよ」
赤い紫のようなリアルナマコが。
『うゔ、絶妙に気持ち悪い』
「それ付けとけよ」
『ええ、やだよ』
「はぁ?ぜってぇ付けてろ。心優しい俺からのプレゼントだ」
『…ほんと五条って性格悪いよね』
そう言えば「うるせー」と口を歪ませて話す彼。
何でこんなの買ってきてくれたのか分からないけど、
ちょっぴり嬉しかったっていうのは内緒の話。
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皐摩(プロフ) - 胸がギュンギュンしました… (2022年2月15日 19時) (レス) @page50 id: c69f5fedc2 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - めっちゃ面白いです。 (2022年1月15日 15時) (レス) @page47 id: ea5533ef50 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 恵 - 目頭が熱盛(?) (2021年10月12日 20時) (レス) @page13 id: f5505c766c (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 莉亜さん» ご声援ありがとうございます!夏油ルート検討してみようと思います!! (2021年9月29日 2時) (レス) @page41 id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - えっ好き() (2021年9月23日 22時) (レス) @page38 id: 160a7ef55b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロゼ | 作成日時:2021年2月20日 21時