声が届くまで １

声量38 ページ43

「ただいまー…って何してんの？」

買い物から帰ってくるとなにやらボールに空気を口で入れている岩泉がいた

岩泉「なにって…空気入れてんの」

「空気入れでやりなよ！」

岩泉「それをあのクソ川が忘れたんだよ」

及川「ごめんなさいね!!あると思ったの！」

わあわあ騒ぎ出す2人に松川が喝を入れる
松川は私の持っていたスーパーの袋を持ち、中に入っていった

松川「早く、やるんでしょ？」

そうだった、私 松川とやるんだった
1人でやろうとか考えてたから少し戸惑う

及川「俺もやっていい？」

「ダメ、やるなら昼にして」

及川「え、なんで？」

「朝から面倒なこと起こしたくないし」

及川「なんか遠まわしに料理できないって言われてない？」

岩泉「できねぇべや」

及川「岩ちゃんだってできないでしょ！？」

花巻「うるせぇぞー」

全くあの2人は…と呆れながら中に入る
キッチンに向かうと袋に入ってたものをすべて出してスタンバイしている松川がいた

「お鍋とかあるかな」

松川「えっ朝からそんなもの作るの…!?」

「お味噌汁作るからそれ用のね」

朝からそんなもの作るわけないでしょ
あ、でも夜はそれでいいかも

松川「卵割っていいの？」

「目玉焼き作れるって言ってたよね？
それ作ってくれる？」

松川「りょうかーい」

松川は目玉焼きだけを作れるらしく、ものすごい早さで作っていく
得意料理なのかな

「(さてさて、私もやりますか)」

そう思って松川の隣で味噌汁を作り始める
作りながらご飯を炊いたり、今どきの高校生じゃこれじゃ足りないかなーと思い元々あった物で色んなものを作る

そして1時間後

「おぉ、上出来」

いつも作ってる量よりはるかに多いので大変だったけどなんとか出来た

松川「お疲れ様」

「松川もね、及川達呼んでこよっか」

及川「ん、いい匂いーっ」

今帰ってきたようで、手を真っ黒にして中に入ってきた及川
そんな及川の背中をグイグイ押して洗面所へ向かわせる

「手を洗ってから来てください」

及川「( 'ω')ｳｨｯｽ」

顔がすごい事になってますよ、及川くん
及川が手を洗っている間に席につく

岩泉「おぉすげ」

「えへへ、こんなもんで足りる？」

岩泉「十分だろ」

及川「わぁー美味しそうー！」

手を洗って帰ってきた及川が席についたらパンッと手を合わせた


及川「いただきまーっす！」


及川がそう言うと全員でいただきます！と言う
ご飯中はバレーや大会の話で盛り上がっていた

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