声が届くまで １

声量31【花巻side】過去編 ページ36

それから国見は毎日のようにA目当てにこの学校に足を運んだ
Aはﾆｺﾆｺと、楽しそうに話している

──そして去年の冬。

「ごめん、今日は英と帰ることになっちゃった」

ついには一緒に帰る約束までしていた

花巻「え…」

ありえないだろ
彼氏いんのにほかの男と帰るなんて。

俺達はこの頃から喧嘩をし始めた。
どうでもいい所で突っかかって、Aが泣くことにイライラしていた

及川「マッキー？
なんでそんな機嫌悪いの？」

花巻「…あぁ、なんでもねーよ」

松川「今日は孤爪と帰んねーんな」

チラッと時計を見る
時計の針は5時半を指していた

5時半…Aとの待ち合わせ時間。

花巻「どーせ、国見と帰るんだろ」

そう言って口を押さえる
無意識に出してしまった国見の名前
確かあいつは北川第一…。

──それなら

及川「え、国見ちゃん？」

岩泉「国見がどうしたって？」

この2人が反応するわけで。

花巻「…いや、なんでもねー」

及川「いや何でもないわけないでしょ？
なんで国見ちゃん知ってるの？」

花巻「何でもねぇって」

及川「だってマッキー北川第一じゃないじゃんっ
何隠してるn「何でもねぇって言ってんだろ！！」あ、ごめん…」

言った後,すぐ後悔をする
コイツらには絶対に当たらないって決めてたのに…。

花巻「…悪ぃ」

岩泉「まぁいいだろ
…花巻、なんかあったらすぐ言えよ」

花巻「…おう」

松川「岩泉の言うとおり、なんでもどーぞ」

花巻「はは、さんきゅ」

2人は俺の背中を叩いてそう言った
すると後ろの方で騒いでる及川がこう言った

及川「もう!!
俺も入れてよ！なんで仲間はずれにするの!?」

花巻「…じゃあ話すけど…」

及川「マッキー！スルーすんな!!」

岩泉「うるせぇクソ川！！」

岩泉に怒鳴られてしゅんと肩を落とす及川
そんな及川を見ながら俺は今までのことを全て話した

岩泉「国見は孤爪が好きなんじゃねぇの？」

話し終わってすぐにそう言った岩泉

及川「俺もそう思う
好きじゃないんだったら毎日来ないもんね」

松川「それかさ、孤爪がなんか隠してんじゃね？
もうすぐ花､誕生日だろ」

花巻「あー…」

部室にかかっていたカレンダーを見ると1月と書いてあり、雪の風景の絵が描かれていた

及川「27日だったっけ？」

花巻「そーそー」

俺の誕プレを買うために相談してた？
それはそれでありえる…。

俺はきっとそうだ、と信じていた

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