声量23 ページ28
「(あの場所も咲花ちゃんに取られちゃったなぁ…)」
体育館を出て歩きながらそう思う
ふと、自分の服装を見ると排球部のジャージを着ていた
「これももう着る機会ないかぁ…」
そう思うと目に涙が浮かぶ
?「あれ、孤爪?」
「松川…」
松川は体育館の外に転がっていったバレーボールを拾いに来たらしく、2個両脇に抱えて私に話しかけてきた
松川「何やってんの?
体育館行こ?」
松川が指を差した方向は体育館。
私は静かに首を横に振った
「ううん、もう私はあそこには戻れない」
松川「は?」
「ごめんね」
松川の顔を見ないで私は校舎に向かって走った
後ろで私を呼び止める声が聞こえたけど振り返らない
──振り返ったら戻りたくなってしまうから。
「(今もそうだけど…ね)」
勢いで辞めちゃったけど…あとで正式に退部届け出さなきゃ
もうあそこのマネージャーは咲花ちゃんだけだもんね
もうあの人たちと関わらない
そう決めた
「(決めたのはいいけど、旅行どうしよう)」
ポケットに入ってる携帯を取り出して[青城排球部3年生!!]のグループのトークを開く
徹ちゃん☆『来週の今日、旅行行こ!!』
来週の今日、つまり今週の日曜日だ
「及川ごめん…行けないや」
ポチポチと[行けなくなった]と打つ
すると携帯が少しずつ歪んでいく
そして画面にポツポツと雫が落ちる
「ここ室内なのに…雨なんか降ってるんだ」
涙だってことは気付いてた
だけどそれを認めたくなかった
ぐいっと涙を拭って送信ボタンを押そうとした
そのとき、
ハジメッティ『孤爪!!お前どこにいるんだ!』
「え…」
徹ちゃん☆「ちょ、岩ちゃんここで言うのwww」
ハジメッティ『笑うなクソ川!!』
徹ちゃん☆『Aちゃんどこいんの?
国見ちゃんが探しに出てっちゃってさ』
打った文字を消して新しく打ち始める
『ここ』
送ってから10秒もしないうちに岩泉からのツッコミが返ってくる
その返信に笑っているとすっと携帯が誰かに取られる
その携帯を目で追いかけるとぎゅっと後ろから抱きしめられた
そして携帯画面が目の前にくる
国見「英の腕の中ってね
Aさん?」
「英…」
国見「あ、送っちゃった」
「はぁ!?」
英から携帯を奪い取るとたしかに送られている
徹ちゃん☆『ついにやりやがった』
ハジメッティ『国見ぃぃい!?』
徹ちゃん☆『文字と同じこと言わないでよww』
取りあえず及川が爆笑してるのは分かった
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紗凪(プロフ) - 絵里さん» シリアスは好きなんですよー笑 これから頑張っていきたいと思います! (2016年3月3日 22時) (レス) id: 67487ce4bb (このIDを非表示/違反報告)
絵里(プロフ) - はい!応援してます!!マッキーのシリアスっぽいのなかなか無いので、この作品読めて嬉しいんですよ!www (2016年2月28日 16時) (レス) id: 0304d69d3a (このIDを非表示/違反報告)
紗凪(プロフ) - 絵里さん» そうですか!?良かったです^^* 応援してくれるのですか!?ぜひ宜しくお願いします!! (2016年2月13日 14時) (レス) id: 67487ce4bb (このIDを非表示/違反報告)
絵里(プロフ) - いえいえ!wwそういうふうに言ってくれて私も嬉しいです!これからも応援してますね!って言うか応援させてください!www (2016年2月11日 21時) (レス) id: 0304d69d3a (このIDを非表示/違反報告)
紗凪(プロフ) - 絵里さん» 思ってくれてありがとうございます!!お礼に及びますよ!!及ばなかったら何なのか…っ!! (2016年2月11日 16時) (レス) id: 67487ce4bb (このIDを非表示/違反報告)
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