声が届くまで １

声量9.5 ページ11

「うん…

でももう無理だよ
貴大は私のことを絶対に嫌ってる」

黒尾「Aはその花巻ってやつ以外の男子を好きにならねぇのか？」

「今のところは…」

未練タラタラじゃん私。

めんどくさいと思われてる、迷惑だって絶対貴大に思われてる！

そんなことは分かってるんだよ、迷惑だって、めんどくさいんだって。

でも…

忘れられない、どうしても。


忘れようと努力したことはあった
クラスの男子を好きになろうってこともあった


でも忘れられなかった


「未練…タラッタラだよね」

研磨「…。」

黒尾「A…」

研磨「旅行は、行ってもいいんじゃない？」

「…っえ」

研磨「行きたいんでしょ？」

「まぁ…。」

研磨「クロ、行くよ」

「え、」

黒尾「どこに？」

研磨「イイトコ。」

顔だけをこっちに向けてニヤッと笑う研磨。
それを見て鉄朗はあぁ…、と声を漏らして

黒尾「リョーカイ。」

と言ってニヤッと笑った

「な、何する気…？」

研磨「内緒。
じゃ、また後でね」

パタンっとリビングのドアを閉めて研磨と鉄朗はこの家から出ていった。

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