挑発と助言 ページ38
高「…随分と酷ェ様だなァ。」
朧「…何の用だ。」
天照院高校の道外れ。とある二人の男がいた。
高「いや何、アイツを助けた礼ってところだが…」
朧「貴様に礼を言われる筋合いはない。…別に目的があるのだろう?」
高「お見通しってことかい。…アイツのこと、どうする気だ?」
朧「さあな。…少なくとも、彼女はお前に気がある様だからな。」
高「…どういうことだァ?」
朧「…貴様も存外鈍感だな。孤高のヤンキーとはよく言ったものよ。…顔が赤いぞ。」
高「…るせー。そもそも、何の根拠で…」
朧「彼女を見ていれば分かる。…貴様の方が共にいる機会が多いのに、何故分からんのか?…舞台の上では口づけした割りには、小学生並の男だな。」
高「オイ、待て。…お前、来てたのか?…気づいてたのか?」
朧「視察の一環だ。…最前列で見てたからな。まぁ、尤も…彼女は気づいていない様だがな。」
高「…」
高杉は呆然とした。
高「で、アイツのこと、諦めるってことかい?」
朧「…いやぁ。」
高「は?」
朧「まさか、そんな都合の良い話あると思っているのか?」
高「…」
朧「まだ、完全にお前のものではないだろう?彼女を振り向かせるだけの話だ。…それに…」
高「それに?」
朧「貴様の意気地の無さでは、彼女に想いを伝えるのは夢のまた夢だからな。」
高「!?テメェ…」
朧「事実だろう?」
高「…ハッ。上等だ。」
そう言って高杉は去った。
朧「さっさと、伝えれば良いものを…全く、手間をかけさせおって。…幸せになれよ。」
朧は、高杉の去った道を向きながら、少し微笑んでそう言った。
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作者名:ふわふわ | 作成日時:2019年10月27日 23時