ドーナツ会 ページ37
今日は土曜日。私は信女と異三郎の3人でドーナツ屋に来ていた。…用件は朧さんの事だ。
信「…で、いつから朧と知り合いだったの?」
貴「…」
最早、取り調べ状態である。私が何をしたって言うんだ?
貴「大体…文化祭の前。最初の変質者の時。助けてもらったの。」
異「でも、あの朧が偶々助けたとは思えませんが…」
貴「えっと…朧さんが晋助さんを殴った後に遭遇したんだけど…」
信「じゃあ、その時に朧は桜の事を気になったのね。」
貴「多分…?」
信「モテる女は罪ね。」
異「ですね。」
貴「…」
なんだろう。前も似たような事があった気がする。とりあえず私は一口ドーナツを食べる。
貴「(美味しい…)」
信「それで?朧の事どう思ってるの?」
貴「え?思ったより優しい人だなって。」
信異「…」
二人は黙った後、溜め息をついた。何なんだ。
信「そういう事じゃなくて、恋愛として好きなのかって事よ。」
貴「!?いや、それは違う。だって私は晋助さんが…」
異「『晋助さんが…』?」
貴「…好きだから…です。」
なんで私はこんな目に遭っているのだろうか。
普通に恥ずかしい。
信「それが聞けて安心したわ。」
貴「逆に朧さんが好きだったらどうしたの?」
信「何がなんでも反対するわ。男を見る目がないって言うわね。」
異「そうですか?彼も変わらないと思いますが。」
信「…まぁ、そうだけど。高杉の方がマシだわ。」
なんか、晋助さんも朧さんも貶されてる気がする。…でも、二人は似てる所も少なくない。
私はまた一口ドーナツを口に入れる。…やっぱり美味しい。
信「もっと注文するべきだったわね。なんてたって、異三郎の奢りだし。」
貴「ふふっ。そうだね。」
異「桜さんはいいですけど信女さんは駄目です。」
信「どうして?」
異「遠慮がないからです。…これでもかなりの出費なんですよ。」
信「…桜。もう1回注文しましょう?」
貴「そうだね。」
異「…私の話、聞いてました?」
その後、私と信女はもう一度ドーナツを注文し、異三郎の財布が軽くなるのであった。
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作者名:ふわふわ | 作成日時:2019年10月27日 23時