3年z組の転校生2 (ページ24)

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保健室の彷彿ページ24

文化祭も終わり、学校はいつもの雰囲気に戻った。
貴「(朧さんの噂も鎮まってきたし、漸く平和な日常に戻れる。)」
それで、私も気が緩んでいたのだろう。

貴「はぁ…」
体育の時間。いつも憂鬱だが今日はいつも以上に疲れる。
貴「(なんだろう…体が怠い。)」
妙「桜ちゃん、大丈夫？」
貴「うん…」
家に帰って寝れば大丈夫だろう。…すると、足元がふらついた。
神「桜ちゃん！？」
神楽ちゃんがなんとか支えてくれた。
妙「失礼するわね。…！桜ちゃん、熱があるみたいよ。」
…どうやら、久し振りに風邪を引いたらしい。

貴「…ここは…？」
？「目が覚めた様じゃな。」
女の人の声がする。
？「どうやら文化祭の疲れが出たようだな。」
貴「…すいません。」
？「気にするな。…体調は？」
貴「まだ、頭がクラクラするけど大丈夫…」
？「全く、大丈夫じゃないだろう。」
落ち着く声。まだ、視界が定まらないけど優しい人だと分かる。…頭が回らない。
？「まだ寝ておれ。…主の担任が帰りの準備をしている。」
女の人は、優しく私の頭を撫でる。…夢なのだろうか。姿がまるであの人に見えてくる。
貴「ありがとう…お母さん。」
？「！」
私は再び意識を手放した。

銀「おい、帰りの準備出来たぞ。」
保健室に、銀時が来た。
？「そうか…」
女は…月詠は適当に応えた。
月「親はまだか？」
銀「父親は海外で…母親は他界。他校に通ってる弟はまだ授業中だろうし頼めるわけねぇだろ。」
月「そうか、父子家庭か…それで早退はどうする？」
銀「とりあえず、俺が送ってく。父親と弟には連絡したから問題ねぇよ。」
月「ならいいが…安全運転で頼む。」
銀「当たり前だろ。…え？俺そんなに信用ない？」
月「日頃の行いが悪いからな。」
銀「うるせー。…とにかく、家に送ってく。」
月「わっちも手伝う。」
銀「珍しいな。普段はそんなに気前良くないのに。」
月「おい。…彼女に間違われたのじゃ。」
銀「？」
月「母親と。」
銀「！」
月「…『お母さん』と。そう言われたのじゃ。」
銀「ふ～ん。…似て…なくはないか。」
銀時は小声で言った。
月「？何か言ったか？」
銀「別に。」
こうして、銀時は月詠に協力してもらい、後町を家に送った。