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烏の助け ページ14

どうやら私は、フラグを立ててしまったようだ。
?「そこのお嬢ちゃん。」
貴「?はい。」
振り向くと、怪しそうな男性がいた。
男「一人?送って行くよ。」
貴「いえ、結構です。」
男「まぁまぁ。お嬢ちゃんみたいな可愛い子が、こんな暗い道を一人で歩いたら危険だよ。」
本当に危険なんですが。男性は私の思いも露知らず、どんどん近づいてくる。
貴「あの…(これは…かなりまずい状況なのでは…)」
私は、古いビルの壁に追い込まれた。
男「ふふ、逃げられないね。」
貴「…貴方が退いてくれれば逃げれます。」
私は声の震えを抑えて強めの口調で言った。
男「じゃあ、逃げられないようにしないと。」
正直に言おう。怖い。かなり怖い。
男「震えてるねけど寒い?」
違う。と、言ったつもりが上手く声が出ない。
男「暖めてあげるよ。」
貴「いや…!」
男性が私を抱き締めようとした時…
?「おい。」
男「!?」
貴「!」
ひどく冷たい声がした。
?「その女から離れろ。」
男「誰だ!?」
男性が振り向く。姿が見えた。
貴「朧…!」
どうして彼が?
朧「貴様如きに名乗る名はない。…強いて云うなら、その女の『男』だ。」
男「なっ!」
貴「!」
朧「この女に未来永劫近づくな。…もう無理か。貴様が行く所は刑務所だからな。」
男「!」
貴「(それはつまり…)」
朧「直に警察が来る。貴様の特徴も全て伝えた。証拠なら、そこの防犯カメラが示す。」
と、ビルの上にある防犯カメラに視線を送った。
朧「逃げられるものなら逃げてみろ。」
彼は絶対零度の視線を男性に向けた。
男「ヒッ!」
すると、本当に警察官が来た。


貴「疲れた…」
男性は余罪があり本当に刑務所行きになり、私は事情聴取された。一応、下校中だったが、大したこともされてないので高校には伝えなくていいと私は言ったが、報告の義務があるらしいので理事長先生だけには知らせたそうだ。
朧「おい。」
貴「!」
そういえば、彼も事情聴取されていた。少し意外だ。彼なら断りそうなのに。
貴「あの、ありがとうございます。朧…さん。」
根から悪い人ではないようだ。
朧「大した事はしていない。…何時もああなのか?」
貴「はい?」
朧「何時もああいう目に遭っているのか?」
貴「え?いえ、そういうわけでは…」
朧「…やはり、あの男は弱くなったな。女一人守れないとは。」
貴「?」
誰のことだろうか。
朧「行くぞ、送る。」
貴「え?」
朧「早くしろ。」
貴「…」
結局、私は朧さんに送ってもらった。

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作者名:ふわふわ | 作成日時:2019年10月27日 23時

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