悪友の忠告 ページ11
信「…それで、高杉とはどうなったの？」
貴「どうって…」
私達は、放課後の合唱練習の後、私は学級日誌を書いている。そこに、何故か信女がいる。合唱は私は、ソプラノパートだ。指揮は新八君で、ピアノは桂さん。
信「夏休み、何もなかったの？」
貴「それは…一緒に夏祭り行ったけど…」
信「あら、もう付き合ってたの。教えてくれれば良いのに。」
貴「付き合ってないから。」
私がそう言うと信女は心底つまらなさそうな顔をした。
信「進展なしって…はぁ。」
？「いいえ、信女さん。進展はしましたよ。」
後ろを向くと、異三郎がいた。
異「少なくとも、自覚症状が出ているみたいですから。」
信「！漸く高杉の事、好きって認めたのね。」
貴「！？なんで、分かったの？」
異「悪友だからです。エリートでなくても分かりますよ。」
さも当然のように異三郎は言った。
信「告白しないの？」
貴「そんなの…恥ずかしくて出来ないよ。」
私にそんな自信はない。それに、晋助さんの気持ちもよく分からないし。
異「可愛らしいですね。」
信「正に恋する乙女な反応ね。」
貴「あのね…」
二人して私で遊んでいる。
異「でも…あの弟君には言わない方が良いですよ。」
貴「桃真の事？」
信「そういえば彼、留学先から帰ってきたみたいね。」
貴「うん、そうだよ。」
異「なら尚更です。」
異三郎はきっぱりと言った。
貴「？言うつもりはないけど、どうして？」
異「ほら、彼に知られると色々と面倒でしょう。」
信「確かに。昔、桜が彼に異三郎の事を言ったら、桜の彼氏だと誤解して一悶着あったわね。」
そういえば、そんなこともあった。
異「あの後、なんとか只の友人だと信じて貰うのに時間がかかりましたしね。そんな彼が、好きな人が出来たと知ったら、学校に乗り込んできそうですし。」
貴「…どうしよう、想像出来てしまう。」
桃真ならやりかねない。あの子は、私のことになのと些か過保護になるのだ。
異「兎に角、彼に気づかれないようにした方が良いですね。」
と、私は中学校からの悪友に忠告されるのだった。
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作者名：ふわふわ | 作成日時：2019年10月27日 23時
