【あんスタ】ただの用務員ですが。なにか？ (ページ17)

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66.俺には無理ページ17

「ヅッキー聞いたよ～！」

『おう明星くん、並びにTrickster。何を？』

「司会、やらないんだって？」

『･･･あぁ、まぁな』

えぇー、と不貞腐れたように頬を膨らませた明星くんに苦笑いを零す。

そんな顔でそんなこと言われたって、俺には荷が重すぎるって。

「明星、都築さんを困らせるな」

「そうだぞ～スバル」

「ん～、だってホッケーもサリーも！ウッキーだって悲しんでたじゃん！」

「それはそうだけど」

唸って嘆いている明星くんの言葉に思うところがあるのか、反論はしないみんなを見てより一層苦笑いを浮かべる。

だって本当に俺はただの、用務員だぞ？学校で清掃とかしてる、ただの用務員！

『･･･なんか悪いな。司会は出来なくとも見に行く予定はあるから、気ぃ落とさずに頑張れよ』

「えっ、都築さん予定があって出れないとかじゃないんですか？」

『ん、そうだけど？』

「それじゃあやりましょうよ！」

珍しく食いついてくる遊木くんに若干体を引きつつ、待て待てと落ち着かせる。

『まずなんでお前らはそんなに俺に司会やって欲しいんだよ？』

「俺はヅッキーのファンだから！ヅッキーがステージで喋ってるのみたい！！」

『俺アイドル違う、用務員』

「なんというか、都築さんと話してると楽しいから、ステージに一緒に上がれたら嬉しいと思ったんだ」

『それは光栄、ありがとう』

「俺も北斗と一緒っすね。一緒にステージ上でやり取りできたら楽しいんだろうなって」

『ありがとう素直に嬉しいわ』

「僕も都築さんと一緒にステージ立ちたいなぁ」

全員から零れるのは、一緒に立ちたかったの言葉で、俺は少なからず驚く。

そんなに俺と立ちたいって思ってくれていることは純粋に嬉しいけど。

「俺にはヅッキーがやりたいって顔をしてるようにしか見えないんだけど、ヅッキーはどうしてやらないの？」

『ｯ、』

そんな明星くんの純粋な疑問が、今の俺には苦しくてたまらない。

やるって言ったとして、やれなかったら？
俺がステージに上がれなかったら？
ステージ立ったら楽しいのは分かってるけど、学園ほぼ全てのユニットが出る大きい舞台で失敗して迷惑かけるなんてそんな大きなリスク背負って出る訳にもいかねぇし。

『ごめん、俺には無理なんだ』

ただただ俺は手に力を入れ、拳を作ることしか出来なかった。