君トミタカガヤキ《JW》 (ページ4)

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___濵田さん、もうすぐ着きますよ

移動車の中、マネさんの声でふっと意識が浮上する。

うわぁ、もう23時か…

そう心の中でつぶやいたと思ったら声に出てたらしく、マネさんが小さく笑う。

『今日はもう風呂入って寝よ…』

笑われたついでにもう一言付け加えたら、“今日夜ご飯食べてましたっけ？”って。

うん、食べてないな、忘れてただけやけど。

食べてないことに気づい瞬間、一気に空腹感が押し寄せる。

なんなら、ぐぅと低い音まで。

『ごめん、そこのコンビニで降ろしてもらってええ？』

そう言うと快く降ろしてくれたマネさんに会釈して、深夜のコンビニへ。

お腹空いたけど、ガッツリ食べたら夜寝られへんよな。

明日も何気早いから、ちゃっと食べて、ちゃっと寝たい。

そう思って、何気なく手に取ったサラダチキンと野菜スティック。

…Aが残業続きで疲れたときによく食べてたラインナップやん。

結局、やっぱり未練たらたらなんよ。

振られた側やから仕方ないと思ってほしい、女々しいのは分かってる。

自嘲気味に笑って、会計を済ませる。

あと2分で我が家。

んーと、あ、こっちちゃうわ。

間違えてAの家の鍵を鍵穴にさそうとしてしまうのも、もう癖みたいなもんやから。

入り浸りすぎてたんやろな、自分の家より、Aの家のほうが落ち着く気がする。

『ふぅ…ただいま…』