君トミタカガヤキ《JW》 (ページ2)

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story1￤体温も、全部￤Takahiro.H ページ2

「…ぇ、ねぇってば！」

『ん？なにぃ…？』

少し、いや、かなり離された2つのベッド。

その片方から、愛おしい声がして目が覚める。

相変わらず起こし方斬新やな、布団剥ぐって。

「何じゃないよ、なんで元カノの家に帰ってくるの！」

『んー？すまんすまん、無意識で帰ってきてもうた』

「さいってー、本当に…で、今日は？パン？ご飯？」

『んー、パンかな』

そう応えると、パタパタとスリッパの音を立ててAが寝室を出る。

その姿を追うと、キッチンにたどり着くのはお決まりで。

トースターに投げ込まれる食パン2枚。

フライパンには、生卵が2個落とされて。

2つ並んだマグカップには、インスタントコーヒーの粉がふぁさっと舞い降りる。

そこにお湯が注がれたら、うん、ええ香り。

「食べたら出ていってよ？」

『うん、ありがとう』

Aに“出ていって”って言われるの、何回目やろ。

…でもさ、来たらこうやって、優しくするん、ほんまにずるいで？