40. 無機質な音 ページ40
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電話を取ったのに、相手の声は聞こえない。
「ん・・・もし、もし?」
もう一度そう言うと、ようやく相手の反応があった。
「Aさん?俺。」
俺・・・
俺・・・・・・
「・・・どなた?」
寝ぼけた頭じゃさっぱり誰だか分からなくって、素直に聞き返すと、電話の向こうからハァってため息が聞こえてきて、続けざまにこう言った。
「松本です。」
その名前に、一気に目が覚める。
「あ・・・松本、くん?」
「そうです。」
なんか・・・ものすごい威圧感(苦笑)
「・・・なにしてたの?」
「ん・・・寝てた。」
「え?具合でも悪いの?大丈夫?」
突然優しい声でそう言われて、私の胸がトクンと鳴る。
「ううん。疲れちゃって・・・ちょっと早めにベッドに入ったの。」
すると、また、一瞬の沈黙があって、
「・・・ひとりで?」
そんなことを聞かれた。
「当たり前でしょ(笑)」
「どうだか(苦笑)」
何か言いたげにフッと笑った松本くんに、文句を言う。
「なあに?そんなこと言うためにかけてきたなら、もう、眠いから切るよ(笑)」
「だってさ。昨日、ミーケルと寝たでしょ?」
その言葉に、今度は私が言葉に詰まる。
「ちょ・・・えっ・・・?」
「わかりやすいっつっただろ?なんか、すげームカついた。」
「・・・なにが?」
「俺と楽しくメシ食って帰ったくせに、その後すぐに、他のオトコとヤったのかよ、って。」
あまりにもはっきりと言われて、言い返すことができずにいると、
「しかも、会社でまでイチャつきやがって。」
その声がいつもよりも低かったから、
「なあに?もしかして、妬いてたりするの?(笑)」
よせばいいのに、からかうような口調でそう言った私に、
松本くんは少しの間何も言わずにいたけれど、
「ホント、ムカつくオンナだな。」
さっきよりもさらに低い声でそう言ったのを最後に、
その後は、ツーツーという無機質な音しか聞こえなくなった。
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ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» そう!あっちこっちにふらふらり。そんな優柔不断な子が描きやすいんです(笑)Jの攻めにご期待くださーい! (2014年9月3日 23時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - ゆん*さん» ほんとだぁ~恋愛マスターみたい(笑)ゆんさんの描く主人公ちゃんって、結構フラフラしてますよね?(笑)キライじゃないです~(笑)潤くんの攻めに期待大です~o(^o^)o (2014年8月31日 19時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» 攻めて、引いて、どう出てくるのか・・・どうぞお楽しみに☆ (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ばにらさん» 満喫していただいてるようで嬉しいです♪第2章もどうぞよろしくでーっす! (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - 潤くんハピバ~o(^o^)o豹変潤くん攻めますね~♪ (2014年8月30日 20時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆん* | 作成日時:2014年8月27日 23時