18. ダメだ ページ18
.
私が今にも泣き出しそうな顔をしていたのか、櫻井さんが慌てだした。
「おい!なんだよ!泣くなよ!?」
「・・・泣きません。」
「でもさ・・・なに?それって、彼氏はそのオトナのオンナに一目惚れしたってこと?」
「さあ。」
「一目惚れかあ・・・俺は、ねーな(苦笑)」
「私だって、ないですよ。でも・・・櫻井さんは、一目惚れされることは多いんじゃないですか?」
「・・・まあ。そうかもしんねーけど・・・」
「そういうのって、どうなんですか?」
「え?どうって?」
「一目惚れされるのって、嬉しいものなんですか?」
なんでこんなことを聞いたのか、というと、元彼にこう言われたのを思い出したからだ。
“A、今日さあ・・・この前入ってきた彼女に、「あなたに一目惚れしたみたい。」って言われちゃったー(笑)”
確かにね?
元彼は、櫻井さんにも負けず劣らず王子様みたいなルックスだよ?
だけど・・・
“なんか、あれから彼女のことがどんどん気になっちゃって・・・ごめん、A。別れて欲しいんだ。”
あなたに一目惚れしたみたい、って言われただけで、そんなに気になるものなの?
私だって、毎日のように“大好き”って言ってたのに、私の“大好き”は、彼女の“一目惚れ”には全然及ばなかったって、こと?
・・・まあ、結果的にフラれたわけだから、そうなんだろうけど。
「私は・・・そんな簡単に人を好きになることはないし、逆に、そんな簡単に好きだって言うような人は、信用できません。」
「ああ、まあ・・・その気持ちは、ちょっと分かる。俺も、俺の中身見てくれてんの?って思うから・・・」
「そんなこんなで、慌てて部屋探したりして、やっと一人の生活も落ち着いたと思ったら・・・日本行きが決まって・・・」
「部屋どうしたんだよ(笑)」
「家賃だけ払ってます(苦笑)で・・・日本でちょっと気分転換、と思ったのに・・・もぉぉ!!」
そう言って、グイッと杯を傾けた私を見て、櫻井さんはその手を掴んだ。
「そういう飲み方はダメだ、っつっただろ?」
「だって!」
「とことん付き合ってやるから、そういう飲み方はやめろ。」
私の手を掴んだままの櫻井さんの手が温かくって、ついさっき、泣くなって言われたばっかりなのに、
あっという間に涙が止まらなくなった。
.
838人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
【Jun】 いつのまにか 番外編 第1章
《読者様2000人記念》 Good? or Bad? Morning 【5色のミニストーリー】
もっと見る
「嵐」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» そう!あっちこっちにふらふらり。そんな優柔不断な子が描きやすいんです(笑)Jの攻めにご期待くださーい! (2014年9月3日 23時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - ゆん*さん» ほんとだぁ~恋愛マスターみたい(笑)ゆんさんの描く主人公ちゃんって、結構フラフラしてますよね?(笑)キライじゃないです~(笑)潤くんの攻めに期待大です~o(^o^)o (2014年8月31日 19時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» 攻めて、引いて、どう出てくるのか・・・どうぞお楽しみに☆ (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ばにらさん» 満喫していただいてるようで嬉しいです♪第2章もどうぞよろしくでーっす! (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - 潤くんハピバ~o(^o^)o豹変潤くん攻めますね~♪ (2014年8月30日 20時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆん* | 作成日時:2014年8月27日 23時