背中の傷には【鬼滅の刃】

七 ページ10

「では手紙を」
「はい」
お館様の娘さんが手紙を取り出した

「こちらの手紙は元柱である、鱗滝左近次様から頂いたものです。
一部抜粋して読み上げます」

(鱗滝さんって確か水の呼吸の育ての方だよね。)

「炭治郎が鬼の妹とともにあることをどうかお許しください。
禰豆子は強靭な精神力で人としての理性を保っています。
飢餓状態であっても人を食わず、そのまま二年以上の歳月が経過しました。
俄かには信じ難い状況ですが、まぎれもない事実です。
もしも禰豆子が人に襲い掛かった場合は竈門炭治郎及び・・・
鱗滝左近次、冨岡義勇が腹を切ってお詫びいたします。」

竈門さんは泣いていた。

「切腹するからなんだというのか。死にたいなら勝手にしに腐れよ、何の保証にもなりはしません。」
(不死川さん、、、そんないいかたないよ、、)
「不死川の言う通りです！人を食い殺せば取り返しがつかない！
殺された人は戻らない！」

「確かにそうだね、人を襲わないという、保証ができない証明ができない。
ただ、人を襲うということもまた証明ができない。
禰豆子が二年以上の間人を食わずにいるという事実があり、禰豆子のために三人もの命がかけられている。
これを否定するには、否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない」

「・・・っ！」
「むう！」

「それに炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」

「えっ！！」
「そんなまさか・・」
「柱ですら誰も接触したことがないのに・・！」
「こいつが！？」
あの、鬼舞辻に？！

それから一気に質問攻め

お館様が人差し指を手にやると皆口を閉じた

「鬼舞辻はね炭治郎に向けて追っ手を放っているんだよ。
その理由は単なる口封じかもしれないが、私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾をつかんで離したくない。
恐らく禰豆子にも鬼舞辻にとって予想外の何かが起きていると思うんだ。
わかってくれるかな？」

「わかりませんお館様。
人間ならば生かしておいてもいいが、鬼はだめです承知できない」

その時、不死川さんが自ら自分の腕を切った。

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