傍にはいつも ページ14
ジリジリと照りつける太陽の下、汗をダラダラかきながら俺は歩いていた。
こう暑い日はアイスを食べたくなる。
まぁ、昨日も食べたのだが。
高校2年生になってから、教科も少しだけ増え授業の中身も1年生の時よりももっと濃いものになっていった。
受験も視野に入れること、と担任や学年主任から一喝されてはいるが実感が湧かず能天気に俺は夏を迎えてしまっていた。
あぁ、もう暑いな。
暑さを紛らわすためにさっきのようなモノローグを繰り広げていたというのに。
すると、誰かに後から抱きしめられる感覚が体を襲ってきた。
「よォ、Aくん。一人ぼっちでお帰りですか?」
そう抱きしめ話し掛けてきたのは、誰でもないすぐ分かる。幼馴染の
「うるさい離れろ痴漢。あと色々誤解が生まれるからやめてくれ、本当に、マジで。」
「あぁん、Aくんのいけずぅ。」
コイツのせいで俺の中学時代は散々だった。
何かあればすぐ俺に抱きついてきて、俺を困らせた。言いたくはないが、宵一は顔が良い。
男から見ても嫉妬されるぐらいに宵一は顔のパーツ全体が整っていて女子にもモテていた。
そんなコイツの事を好きな女子、コイツの事を好きな女子を好きな男子から何故か俺が色々言われるハメになったのだ。
だから距離を置いていたのに。
距離を置いても金魚のフンのようにコイツはどこまでも着いてくる。言い方が酷い?俺は知らないね、そんな事。
正直鬱陶しいったらありゃしない。
平穏な日々を送ると決めた俺の生活には・・・コイツは必要ないのだ。
「あっ、夜月く〜ん!やっと見つけたァ。早く一緒に帰ろうよ?」
「今日も暑いね、アイス食べに行こうよ。」
「あぁ、悪ぃんだけど俺Aと帰・・・」
俺と一緒に帰ると言おうとした宵一の言葉を遮って、宵一過激派(今名付けた)にわざと聞こえるように、
「ほら、女の子待たせちゃいけないと思うんだけど?俺は1人でいいんだよ、じゃあな"夜月"」
後から、おい!と声が聞こえるが無視無視。
俺には知ったこっちゃないね。
そうして、門を出ようとした時、今度は誰かに肩を組まれた。
コイツもすぐ分かる、暑いのに相手に触るなんてお前ら揃っておかしいのか?
「相変わらず嫌ってんなぁ、宵一の事。」
ケタケタと笑うコイツはもう1人の幼馴染、
俺はそんな真昼をジトッと睨みつけた。
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優桃(プロフ) - ゆーなさん» 初めまして、コメントありがとうございます。そう言って頂けると頑張ろうって思えます(*^^*)これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2018年1月21日 21時) (レス) id: a4872d24e8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな(プロフ) - 面白かったです!お気に入り登録しときました!これからも頑張ってください! (2018年1月21日 21時) (レス) id: 9e3b82e97b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優桃 | 作成日時:2018年1月21日 21時