2話 ページ4
史人side
「はぁ、全く相浦は･･･」
そうため息を付いて机に突っ伏していると、
「安城先生･･･」
と後ろから声をかけられ反射的に立ち上がって振り返った。
「ひぃっ！？あ、も、桃園先生･･･さっきはうちの生徒が失礼な事を･･･」
「いや、いいんですよ。アイツは何を言っても聞かないですから･･･親に貰った髪の毛大事にしろって･･･ははは、確かにそうですよね･･･ははははははは･･･」
桃園先生は空中を見て、悲しげに笑っている。そこまで相浦の言った言葉が心に突き刺さったのか、涙を浮かべていた。
「わぁぁ、桃園先生気を確かに！大丈夫ですよ、フサフサじゃないですか！」
「いいんですよお世辞なんて･･･」
そう言ってフラフラと何処かへ吸い込まれるかのように行ってしまった。
すると、同僚の笹本が哀れみの目で僕を見つめてきた。
「さっ、笹本〜･･･！」
「史人も大変だな、相浦に桃園先生に･･･史人は人が良すぎるんだよ。もう少し厳しくしてもいいんじゃないか？」
そう言って笹本はコーヒーを一口飲む。
僕は椅子に腰を掛けて、はぁっと今までにないぐらいの大きなため息をついた。
「ため息付くと幸せ逃げちゃうぞ〜」
「うるさい。」
「本当、大変だな。」
「人事だと思ってーっ！」
僕は笹本に泣きつく。
周りの先生達の目が痛いような気もするけど気にしないでおこう。
「僕は人に厳しくなんて出来ないんだよ･･･性格上無理なんだよ･･･なんで僕教師になろうなんて思ったんだ。」
「よしよしよしよし、じゃあ今日飲みに行くか？愚痴でもなんでも聞いてやるから。」
「さ〜さ〜も〜と〜ぉ！」
何故か涙がブワッと溢れてきた。
こういう頼れる同僚がいて良かった。
「うわっ、泣くまで追い詰められてたのかよ。今日はいくらでも付き合うからな。よし、加賀見先生も連行しよう。」
そう言って笹本は先に帰った加賀見にメールを打ち始めた。
こういう頼もしい同僚がいるから、この仕事も続けられてるんだなと、最近よく思うようになった。
「うぅ、ありがとう･･･ありがとう･･･僕今から写真部の様子見に行ってくるから･･･本当ありがとうな、笹本〜！」
「はいはい、分かったから早く行ってこい。」
僕は涙を拭って職員室を出た。
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優桃(プロフ) - 綾さん» 初めまして、コメントありがとうございます。こちらこそ、読んでくださって嬉しい限りです(*^_^*)これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2017年9月17日 11時) (
レス) id: ac3cfbc466 (このIDを非表示/違反報告)
綾 - とてもおもしろかったです。素敵なお話ありがとうございます！更新頑張ってください！ (2017年9月14日 21時) (レス) id: 9b5a4fb179 (このIDを非表示/違反報告)
優桃(プロフ) - あんみつクラゲさん» わざわざ読んでくださり、コメントまで本当に嬉しいです。ありがとうございます(*^^*)更新頑張ります！ (2017年8月22日 17時) (レス) id: 18d71c1466 (このIDを非表示/違反報告)
あんみつクラゲ(プロフ) - イベントご参加ありがとうございます。とても素敵なお話でした(*‘ω‘ *) 評価の方もさせていただきました。これからも更新頑張ってくださいね！ (2017年8月22日 15時) (レス) id: 0081b71d8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優桃 | 作成日時：2017年8月21日 14時
