干物がーる【あほの坂田】

干物 8 ページ10

ご飯も食べ、少しゆったりして現在お風呂の浴槽の中。追焚きをして温め直したお湯に浸かりながら考えるのはさっきのさかちゃんの発言。
　本人がああ言っているからそういうことにしてはおくけれど、きっとそれだけじゃないし、これまでもずっお聞こうか聞かまいか迷ってたんだろうなと思い、申し訳ない気持ちになる。
　
　
　“永田”
　
　これが私の活動名だった。リスナーの子や歌い手仲間の人達からはよく “えいちゃん” と呼んでもらっていた。

　今ではただの干物と化しているけれど、数年前までは干物でありながら歌い手としても活動していた。
きっかけは紛れもなくさかちゃんで、面白いのを見つけたから一緒にやらん？と誘われたのは高三に上がる年の初めだった。

　最初はさかちゃんがやっているところを見ていたのだけれど、元々歌うことが好きだった私はさかちゃんの見様見真似で活動を始めた。

　有難いことにどんどん名前は広まって、リスナーの子までできた。歌い手さん達との交流も増えて、コラボ曲をあげたりコラボ放送をやったり、そんなこんなで気づいた時には曲をあげればミリオン突破する事も度々あった。

所謂 “有名歌い手” になっていた。

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