干物がーる【あほの坂田】

干物 33 ページ39

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　「そういや坂田、この前永田ちゃんと帰省してたっけ？」
　「あー、そうそう。友達の結婚式に呼ばれたんよ。」
　「へー。で？何かしたの？」
　
　実家から帰ってきて数日、浦島坂田船夏ツアーのリハーサルの為にメンバー集まっていた日の夜。珍しく早めに終わり、夕飯でも食べにと出てきた訳だが、唐突にまーしぃからAの名前が飛び出した。
　確かに帰省は共にしたけれど、帰る先が同じだから当たり前といえば当たり前である。
　それに、何かしたかと問われれば結婚式に行ったくらいで。
　
　「あ、お墓参りしてきたわ。」
　「お墓参り？」
　「誰の？」
　「Aの両親の。」
　
　Aが珍しく取り乱した日、朝起きると夜の出来事をきれいさっぱり忘れていたAは言った。
　「お墓参り行っとらん！！！」
　
　そんな訳で帰省最終日、Aの両親と一緒にお墓参りへと繰り出した。
　ちょうどお盆の時期に近く、きっとお盆真っ只中に帰ってくることはできないと踏んでしっかり掃除などもしてきた。
　と、ここで不思議に思う人もいるだろう。現に目の前の三人がそうなのだから。
　
　「永田ちゃんの両親、亡くなったん？」
　「俺もお世話なったし、今度連れてってや。」
　
　何故かAの両親と関わりのあるまーしぃーもこの始末だ。それは当たり前だけど。
　
　「ちゃうねん、まーしぃの知っとる両親は生きとんで。」

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