干物がーる【あほの坂田】

干物 26 ページ32

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信じられない、と言いたげな目をして私を見てくる目の前の人物、そう、今日の主役けいちゃんである。

会場に着き、受付をしてもらうと、担当の方が「着き次第通すように言われておりますので」と言ってけいちゃんの控え室に連れてきてもらった。
一方のさかちやんも新郎さんに呼ばれていたらしく別室へと連行されていた。

「目は口ほどに物を言うって、よく言えてるわ。」
「や、絶対ギリギリに着くやろと思っててん。まさか式の前に会えるとは…」
「しょっぴくぞ。」
「でもどうせ自力じゃないやら？」
「ま、まあ、そうともいう？」

確かに、さかちゃんいての今があるけれど、そんなに信用ないのかと軽くショックを受ける。非は完全に私にあるのだけれども。

それにしても、花嫁さんのウェディングドレス姿と言うものは本当に綺麗だ。今までも何回か式に呼ばれたことはあったし、その度に花嫁さんを見ては「綺麗だな」とか「幸せそうだな」とか、色んなことを思ってきたけれど、例に漏れずけいちゃん対しても似た感情が湧き上がってきた。
今は絶対に言わない。言ったらきっとこの子、泣いちゃうからね。泣くのはまだ早いから。

「髪の毛も可愛くなってるやん。それも？」
「さかちゃんです。」
「…やっぱり坂田くんに頼んでおいてよかった」
「そんな目で見るな！！！」

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