干物 2 ページ4
そんな電話のやり取りから約二ヶ月、Aが東京に引っ越してきて約一ヶ月。俺はと言うと、歌い手活動のライブツアーが立て続けに入っていたために1度も彼女の家に訪れないでいた。
「とはいえ絶対干物してんよなー」
今までは、Aのお母さんによる救いの手のおかげで生活できていただろう彼女が自力で生活できているとは到底思えない。
本人の前では絶対言わないけれど。
「よし、行くか」
かくいう俺はと言うと、漸く私生活が落ち着いてきたわけで、今日はちょうど休日だし、干物のあいつなら今頃家に引きこもってるだろうななんて予想して、送られてきていた住所へと向かったのだった。
「で、この有様は?」
「え、まだマシ...」
「馬鹿なの!?」
「馬鹿じゃない!さかちゃんよりはいくらか!」
「いや、お前は馬鹿だ、ぜってー馬鹿だ」
突撃!隣の晩御飯!的なテンションで訪れてみれば案の定、まー、酷い有様で。
「なーにが ”なんとかなるでしょ!“ だよ!!」
「いや最初は頑張ってたもんさかちゃんが来るの遅かったのが悪い」
「んなアホ」
こんな悪い子には頭ぐりぐりの刑やわ...
それからというもの、俺の用事がある日以外はこの家に立ち寄ってはこうしてご飯を作ってみたり、部屋の片付けをしたり...って俺は主夫か何かかよ
浦島船には「坂田は絶対面倒見てもらう側のが向いてるわ。彼女は年上のがいい!絶対!」なんて言われるくらい素直に喜べない定評があるのにさ。全く逆のことしてるよ俺。
何がここまでさせるのか...。
幼なじみ、もといAという人物はやはり末恐ろしいなと改めて思わされたのだった。
138人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みや(プロフ) - すずさん» あああコメントありがとうございます!なるひろの絡みも好きです可愛いですよね(*¨*) どのキャラも活き活きしていて本当に好きです笑 (2018年12月19日 23時) (レス) id: d580707f2b (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ヲタ恋いいですよね!私はなるちゃんと宏嵩の絡みがめっちゃ好きですw花ちゃんもいいですよね (2018年12月10日 20時) (レス) id: 1ecb80634b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みや | 作者ホームページ:https://twitter.com/miyadao_orz?s=06
作成日時:2018年11月18日 22時