干物がーる【あほの坂田】

さかちゃんバースデー物語 2 ページ23

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「なーAー。」
「ん？」
「パソコンとマイク借りてええ？」
「勝手にどうぞー。」

現在、12月4日の夜10時過ぎ。つまり俺の誕生日を目前に控えているこの時間、何故またAの家にいるのかといえば簡単な話で、よりによって今日残業があったらしく帰りが遅かったのだ。

Aが飯を食ったのを片付けて帰るのが習慣となってしまった今、誕生日前日だろうと構わず、やり終えてからしか帰れないように体がなってしまったらしい。

で、気づいたらこの時間である。
確かに、今から帰れば終電だってあるし、日付が変わるより先に帰宅出来るわけだが、外に出れば寒いし、最も、帰って慌てるのが一番嫌なので、ここに留まることにした。

とはいえ、坂田家の子の為にも、というのは語弊があるが、とりあえず生放送はやりたい。どうせならニコ生の方がいいし。

だからAにああ尋ねたのだ。
Aの持っている機材は下手したら俺の持っているものよりもいいやつだし、環境は十二分にあるし。

「日付変わるまでやるん？」
「いや、やらんけど確認とか色々やらなかんで、日付変わるまでここに居るわ。」

機材が揃った一室に目を向けながら言えば、了解ー、と。

「入らんように気ぃ付けるわ。」
「入っても構わんねんけどな。」
「はいはい。」

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