干物がーる【あほの坂田】

干物 17 ページ19

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「なあ志麻ー」
「ん？」

休憩をしていると、丁度休憩に入ったチームメイトの一人がやって来た。

「あの子やばない？」
「それな。話は聞いとったけど生で見るの初めてやってん。予想以上やったわ。」

話題は勿論、今日連れてきたAの事で。
とても現役から離れて何年も経っているとは思えないほどの動きぶりである。

以前本人から聞いた話だと、小学校の時リベロになりたくてスポ少に入ったら、ジャンプ力があるからとミドルブロッカーに回され、中学になり部活に入る際、スポ少でミドルブロッカーをやっていたことを隠してリベロになろうとするもそのカリスマ性は隠しきれず、結局三年間ミドルブロッカーをやったのだと。

しかし、本人はリベロの夢を捨てきれず、個人練習は只管サーブを拾う練習やら、落ちるギリギリの球を拾いまくる練習やらをやっていたらしく、守備力にも優れた万能ミドルブロッカーとなったのだと。

因みに中学時代、その腕はまわりの同級生は愚か、上級生よりずば抜けてできていたらしい。これは坂田から聞いた。

「あんなけ拾える子がおったら安心だっただろうね。」
「それなー。」

まあ、彼女が選手として生活したのは中学三年間だけで、高校に入ると何故か男バレのマネージャーに転身したらしいけど。

だから、話にはい聞いていたとはいえここまでだとは思っていなかったのだ。

ほんま、Aってなんでもできるやんなぁ。

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