干物がーる【あほの坂田】

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俺、坂田優には昔からの幼なじみがいる。

　そいつは幼い頃から整った顔をしていて、歳を重ねるにつれて世間で言うところの ”美人“ へと成長を遂げた。
人当たりの良い性格もあって学生時代には性別問わず多くの人から好かれ、告白なんかは日常茶飯事だった。

　そんな光景を、幼なじみというポジションの俺はいつも見ていた。

　大人になってもその立ち振る舞いは変わらず、仕事場ではよく仕事のできる ”キャリアウーマン“ と呼ばれ、上司には絶大な信頼を、後輩には良く慕われている(らしい)。

　しかし、そんな幼なじみにはとんでもない欠点があった。
いや、今も尚健在であるから過去形にするのはおかしいか。欠点がある。

　家から一歩出れば非の打ち所のない存在、だが家に入るやいなや、完全にスイッチがオフになる。”何やらなくなる“ のだ。


　彼女は所謂、”干物女“ なのである。


「ほんま、家に居ると干物なんて誰も想像せんわな」
「干物じゃないでーす」
　
　
　
　

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