ジレンマ―1126 ページ5
朝起きる。
軍曹の散歩に行ったついでに新聞を取って、部屋に帰ったら朝ごはん。軍曹にはドッグフード、私はコーヒー。
新聞の一面に目を通す。何気なく見た日付は、12月に近づいている。
コーヒーの最後の一滴を流し込んで、そのまま食器を洗う。
寒いので熱いシャワーを浴びて、それから着替える。うすーく化粧をして、準備完了。今日の水筒の中身は温かい緑茶だ。
家を出る前に携帯のディスプレイを確認する。時刻は8:14、日付は11/26。
『…あれ?…嘘、もうそんな?』
驚きながらも家をでて、仕事へ向かう。今日は潤さんの誕生日だ。誕生日の度に何か貰うから、潤さんは何が欲しいですかと聞いたことがある。結構前だ。そうしたら、ご飯を作ってくれと。だからそれから毎年、できるだけ都合をあわせて一緒に夕御飯を食べている。
確認しなきゃ、現場は確か同じはずだけれど、と思いつつ、早くついた私はいつもの如く眠ってしまった。
起きるともう既に潤さんは来ていて、監督と話していた。…話しかけられない。
結局そのまま収録は始まり、終わってから監督に呼び止められた私は潤さんと話すことができなかった。
午前あがりなので、この後は家に帰るだけだ。…LINEしてみようかな。
緑のアイコンをタップして、トークルームを開く。メッセージを送ろうと動いた指は不意に止まる。まだお仕事中だろうか、私が送ったら迷惑だろうか、何なら忘れているかもしれない、とか、そんな事気にするなよって前に潤さんが言ってくれたことばかり。
結局躊躇して何も送らずにトークを閉じた、とりあえず部屋着に着替えて料理をする。何日になってもいいように…例えばいきなり今日と言われても対応できるように。
とはいえ、午後4時に出来上がってしまったそれらをどうにかする気になれず、放ったまま眠ってしまった。
『…ぅ…あっ?嘘でしょ、もう暗い…』
ピンポーン
『うわっ、え?!』
いきなり鳴ったインターホンに意識が戻り、画面に写ったのは見覚えのありすぎるお酒。その人の顔は見ないままに通す。
ドアを開けると、
「よっ」
『潤さん!』
立っていたのは潤さん、片手にお酒を持っている。
「電話したけど出なかったから来ちゃった」
『寝てました』
「そんな感じするわ、部屋着だもん」
『あ』
靴を脱いでリビングに向かう潤さんの背中に、小さく
『お誕生日おめでとうございます』
と。
勢いよく振り向いた潤さんに、
「おう、ありがとな」
頭を撫でられる数秒前の話。
背中〔-Rei-さんリクエスト〕→←瀬良ちゃんに一問一答!(詳しく編-2)
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虚無 - ←下野さんの鳩胸にツボった津田さんヲタ (2023年5月5日 9時) (
レス) @page27 id: 4a11fac183 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみら(プロフ) - 沙那さん» コメント有難うございます。元々 海は一次創作のキャラクターだったこともあり、このお話は海の主観で書くことが多いです。故に、沙那さんの‘海ちゃんの世界観’というお言葉がとても嬉しいです。有難うございます。これからも瀬良海をよろしくお願いします。 (2019年9月11日 1時) (レス) id: f5d1b07a4d (このIDを非表示/違反報告)
沙那(プロフ) - 初コメ失礼します。毎話の更新を楽しみにしており通知が来る度に海ちゃんの世界観に浸れることを嬉しく思いながら読んでいます。個人的に安元さん鳥海さんが出てくるお話しが好きで読み返すことも結構あります。これからも無理のない程度に頑張って下さい。ファンより。 (2019年9月10日 13時) (レス) id: 5472d240eb (このIDを非表示/違反報告)
ゆみら(プロフ) - 悠さん» ご期待にそえていたようでよかったです(T0T)！！！！こちらこそリクエスト有難うございました！！ (2019年2月17日 5時) (レス) id: 46d3533f79 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - リクエストありがとうございました！！いいバレンタインになりました！！！！！！ (2019年2月16日 13時) (レス) id: bec5e9e265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：留鳥カナメ | 作成日時：2018年11月20日 19時
