懐古!高校生 ページ34
「ふ、太った…?」
鏡の中の私は、…制服を着ている。次の役が高校生ということで、設定資料を読んでいたらちょっと思い立ってしまったのだ。高校から上京してきたので、制服は手元にある。完全に悪ノリだった。
…シャツのボタンがパツパツになっている。胸の。
というと自慢みたいに聞こえるかもしれないけれど、実際困るのだ。着物が似合わないし、太って見えるし。ブラのサイズはもう長いこと変えていないしそもそも測ってもらったのが高校の頃だ。明らかに胸が太った。お腹の肉の量はそんなに変わってないと思うのだけれど…。慌ててワイシャツをめくり上げる。あれ、でもなんかぷにっとしているような?…ダイエットしなきゃ。太ったら目も当てられない。自分のお腹をつまんでみる。…余裕でつまめる。
「やっば」
危機感を拭えないまま、時計を見る。あと一時間半ほどで林ちゃんが来る予定だった。林ちゃんは合鍵を持っているので勝手に上がってくるはずだ。見られたら恥ずかしすぎる。着替えようとシャツの第2ボタンを外したとき、寝ていた軍曹が起き上がった。
「どしたの?」
ダッと玄関の方へ走り去る。軍曹について歩きながら、嫌な予感がした。
次の瞬間、ガチャッと開錠音が響く。
「入るぞー…」
「…」
ガッツリ目があったまま、林ちゃんも私も固まる。顔に熱が集まっていくのがわかり、なにか弁解しようと口を開いたときだった。
「え、どうしたの」
林ちゃんの後ろから聞き覚えのある声がして、
「海ちゃん…？」
顔を出したのは櫻井さんだった。
「ち、違うんです!ていうかなんで?!」
後悔先に立たず。為す術もないので、とりあえずあがってもらい、ダイニングに座る。私は恥ずかしい顔で。林ちゃんと櫻井さんはニヤニヤと。軍曹はただ嬉しそうに。
「…チーズの詰め合わせ貰ったからおすそ分けにと思って」
「俺は一時間くらい早くついても大して変わんないだろうと思って」
誰も核心に触れてくれない。
「…つ、ツッコんで下さいよっ…!」
言いながら下を向く。逆に触れられないほうが辛いのだ。
「いや、ツッコむっていうか」
「「懐かしい」」
…たしかに二人は私の学生時代を知っているけれど。事の経緯を説明する。二人共ずっと笑っていた。
「着替えてきていいですか」
「最後にくるっと回ってよ」
「面白がらないでください」
「叶乃に写真送っていいか?」
「駄目だよ!!」
結局写真は撮られたし送られたし、着替えるまでに2時間かかった。
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虚無 - ←下野さんの鳩胸にツボった津田さんヲタ (2023年5月5日 9時) (
レス) @page27 id: 4a11fac183 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみら(プロフ) - 沙那さん» コメント有難うございます。元々 海は一次創作のキャラクターだったこともあり、このお話は海の主観で書くことが多いです。故に、沙那さんの‘海ちゃんの世界観’というお言葉がとても嬉しいです。有難うございます。これからも瀬良海をよろしくお願いします。 (2019年9月11日 1時) (レス) id: f5d1b07a4d (このIDを非表示/違反報告)
沙那(プロフ) - 初コメ失礼します。毎話の更新を楽しみにしており通知が来る度に海ちゃんの世界観に浸れることを嬉しく思いながら読んでいます。個人的に安元さん鳥海さんが出てくるお話しが好きで読み返すことも結構あります。これからも無理のない程度に頑張って下さい。ファンより。 (2019年9月10日 13時) (レス) id: 5472d240eb (このIDを非表示/違反報告)
ゆみら(プロフ) - 悠さん» ご期待にそえていたようでよかったです(T0T)！！！！こちらこそリクエスト有難うございました！！ (2019年2月17日 5時) (レス) id: 46d3533f79 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - リクエストありがとうございました！！いいバレンタインになりました！！！！！！ (2019年2月16日 13時) (レス) id: bec5e9e265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：留鳥カナメ | 作成日時：2018年11月20日 19時
