バースデー・サンドイッチ ページ23
今日―6月12日は水曜日。つまり、昨日は火曜日で明日は木曜日。ついでに紳士radioは金曜日。
そして昨日、即ち6月11日は津田さんの誕生日だ。ひとつ飛ばして13日は、櫻井さんの誕生日。…奇しくも私の誕生日でもある。とんでもない日に生まれてしまったと、顔すらわからない母に独りごちた。
そんなわけで毎年ここ数日のスケジュールは妙に密である。
鞄のなかには津田さんと櫻井さんのぶんのプレゼント、同業者の誕生日が近くなるとよくやることだ。仕事の性質上、誕生日当日にピンポイントで会える可能性は高くない。
…はずなのだけど。
『すごく策略ですよねぇ』
私を挟んで座る二人を交互に見る。
明日の夜に行われるらしい某映画の先行上映会で流れる映像を撮る事になっていて、役柄にちなんで全員服は黒。
小綺麗な、悪く言えば殺風景なそのスタジオで、
「そうかもねぇ」
「そうだろうねぇ」
声を交わして三人で笑う、時間は夜の9時を回ったところだ。どうやらトラブルがあったらしく、スタッフさんは忙しそうに走り回っている。
お世辞にも早いとは言えない時間の仕事に林ちゃんが顔をしかめたのは言うまでもなく、もう子供じゃないんだし、という主張は津田さんと櫻井さんにお前の事頼んだから、というおそれ多すぎるお達しの前に砕け散った。嘘でしょやめてよと電話で噛みついたのは言うまでもないが後の祭りである。
『津田さんはともかく、櫻井さんが真っ黒けっていうのはなんか新鮮ですね』
「そう?」
「俺はともかくてどういうことよ」
『えぇ、自覚ないんですか』
「あるけど」
『なんか櫻井さんは白いイメージがあるんです』
「あー、わかるかも」
「えっ…まぁ確かにそんなには着ない…ような気がする」
『でも似合うからズルいです』
「え…」
「ははは」
『津田さんもですよ、ねぇ櫻井さん』
「うん、全力でそう思う」
「飛び火がひどいな」
クックッと喉をならして笑うと酒入ってる?と笑い半分に疑われた。流石にそんな事はない。
『この後呑みに行くつもりではありますけど…』
「じゃ皆で食事いこうよ、櫻井君この後暇?」
「大丈夫ですよ」
『はは、お誕生日会ですね』
「いい歳した大人が3人で」
『面白くていいじゃないですか』
「しかも全員真っ黒けでね」
「せらみ爪まで黒いし」
『時間とマニキュアがあったので…』
よくお気づきでと手を握ったり開いたり、コロコロ転がす他愛ない話は、もう酒の席が始まったかのような賑やかさだった。
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虚無 - ←下野さんの鳩胸にツボった津田さんヲタ (2023年5月5日 9時) (
レス) @page27 id: 4a11fac183 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみら(プロフ) - 沙那さん» コメント有難うございます。元々 海は一次創作のキャラクターだったこともあり、このお話は海の主観で書くことが多いです。故に、沙那さんの‘海ちゃんの世界観’というお言葉がとても嬉しいです。有難うございます。これからも瀬良海をよろしくお願いします。 (2019年9月11日 1時) (レス) id: f5d1b07a4d (このIDを非表示/違反報告)
沙那(プロフ) - 初コメ失礼します。毎話の更新を楽しみにしており通知が来る度に海ちゃんの世界観に浸れることを嬉しく思いながら読んでいます。個人的に安元さん鳥海さんが出てくるお話しが好きで読み返すことも結構あります。これからも無理のない程度に頑張って下さい。ファンより。 (2019年9月10日 13時) (レス) id: 5472d240eb (このIDを非表示/違反報告)
ゆみら(プロフ) - 悠さん» ご期待にそえていたようでよかったです(T0T)！！！！こちらこそリクエスト有難うございました！！ (2019年2月17日 5時) (レス) id: 46d3533f79 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - リクエストありがとうございました！！いいバレンタインになりました！！！！！！ (2019年2月16日 13時) (レス) id: bec5e9e265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：留鳥カナメ | 作成日時：2018年11月20日 19時
