お弁当 ページ5
「あれ?海それもしかしてお弁当?」
昼下がり、遅い休憩をとる。ロビーの机と椅子を少しだけ借りて、お弁当を広げたところ。
『そうです、よかったら璐美ねぇもご一緒にどうですか?』
後ろから聞こえた声に振り向くと、璐美ねぇが覗きこんでいた。
「えー、私今日コンビニなんだけどー…何か手作りと並べるのやだ」
『大丈夫ですよ、ね、ね、璐美ねぇとご飯食べたいなぁ』
「んもうー!海にそんな顔されたら座るしかないじゃん〜!」
璐美ねぇは私のとなりの椅子を引いた。ふわりと香水のいい香りがして、流石だなぁと思う。
カパ、とお弁当箱の蓋を開けると、今朝作った卵焼きとほうれん草とトマト、その他色目を意識したおかずたちがお目見え。
「やっだ女子力高ぁ」
『いやいや、ふつーのお弁当ですよ』
他愛もない話をする。お互いの犬の事とか、お仕事の事、美味しいお菓子の話も。この時間が幸せだ。
「あれ?瀬良と朴さんだ」
『あ、安元さん』
「ホントだ、安元くんだ」
くるりと回転するタイプの椅子なので、例にならってくるりする。斜め後ろには安元さんが立っていた。
手は無意識にお弁当を隠す。…だって、
「おい瀬良、今何隠した」
『なぁんでもないですぅ』
「見せてやりゃいいじゃない」
『ヤですよ、』
だって、
『安元さん料理上手じゃないですか』
うまい人に見せるのって、何かヤだ。例えるならそう、…歌手の前で歌を歌うような?
「は?…いやいやいや、何でだよ」
「まー、いいからいいから!」
璐美ねぇが後ろから私のことを抱きしめる、
『わっ!』
というのは事実だけれど、実際は拘束だ。力がエグい。その間に安元さんはお弁当箱を抜き取る。
『ちょっ、あ、璐美ねぇ、ちょ』
「ほーぅ、なかなかいいじゃん」
ニヤニヤ、私を見る。誉めてもらえるのは嬉しいけれど、まさか未だに拘束が解かれないとは思わない。
『いい加減離してくださいぃ〜』
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「あ、この卵焼き美味しい」
「ホントっすね」
『うぅ、嬉しいけど嬉しくない…』
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ryoriisa(プロフ) - ゆみらさん» ボードに移動するので、そちらでお話もしましょう! (2018年9月24日 7時) (レス) id: 6d61661040 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみら(プロフ) - りささん» こちらのボードなどでのやり取りなら可能なのですが、Instagramは使い方がよくわからなくて(-_-;)本当にごめんなさい… (2018年9月23日 18時) (レス) id: 46d3533f79 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - ゆみらさん» そうなんですね…残念です…ワガママを言ってすみませんでした。 (2018年9月23日 18時) (レス) id: 6d61661040 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみら(プロフ) - りささん» 成程!そういうものなんですねぇ!面白そうですね!申し訳ないですがツイッターしかやっていないんです… (2018年9月23日 17時) (レス) id: 46d3533f79 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - ゆみらさん» リレー形式はですね、どちらかが設定、登場人物書いていき、サブタイトルなども決めながら交互に書いていくという感じです!もしよかったらぜひやりたいなと思ってコメントをさせていただきました;;;;ちなみにSNSでInstagramやっていますか…? (2018年9月23日 14時) (レス) id: 6d61661040 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:留鳥カナメ | 作成日時:2018年8月29日 12時