サーカステント ページ5
サーカステントの中に入ってみると、もう他の人達は揃っていた。
A「遅れて申し訳ございません。」
ファーリス「時間厳守だよ。……まぁいい。」
なんて、こんな時だけよく言うよね。普段なんか訓練を全部兵士達に押し付けてるくせして。
しかも茶色いフードなんか被ってるからおたずね者らしくなっちゃってるし。
司会者「さて!お次は世界を飛びまわっては訪れた町を魅了して去っていく。
謎の旅芸人の登場だ!」
謎の旅芸人か…。色々な場所を旅してるんだから、さぞ有名な方なんだろうね。
司会者「流浪の旅芸人……シルビア!!
摩訶不思議なショーをとくとご覧あれ!!」
シルビア…?聞き覚えのある名前なんだが…。
その私の疑問に答えるかのように空中で回転して登場してくる謎の旅芸人。
お手玉やナイフ、火吹き芸など、どれも私には見覚えのある芸技だった。
そして最後に
シルビア「大切なお客さまにケガなどさせません。楽しんでいただけましたでしょうか?」
と言葉を残して、拍手や賞賛の言葉を浴びていた。
勿論、私も含めファーリスや旅人さん達も釘付け。あんな一流の技を目の前にして見ないなんて損だろう。
ファーリス「……みんなサーカスに夢中のようだな。
では、そろそろ本題に入ろうか。
これから言うことは口外しないでくれよ。」
私は立ったまま王子の隣に立って聞いている。遅れて来てしまったのだから当たり前だろう。
ファーリス「今度騎士たちが乗馬のウデを競うファーリス杯っていうレースがおこなわれるんだ。
それにボクも出場するんだけど、ひとつだけ大きな問題があってね。
じつは…………
ボク、生まれてこのかたウマに乗って走ったことがないんだ……。」
旅人さん達は呆れたような目でファーリスを見つめる。
だからあれ程訓練に励めと言ったのに…。
ファーリス「これまでは部下の協力もあって父上や国民たちをあざむくことができたが、レースに出たらいよいよボロが出てしまう。
だけど今回はボクの16歳の誕生日を祝う大切なレース。出場しないわけにもいかずこれまでずっとアタマを悩ませてきた。
そんな時キミが現れたのだ。
ボクと同じ背格好をしているキミがね。
キミこそボクの影武者にふさわしい。」
だからあの時全身をくまなく眺めていたのか…。にしても、毎度毎度この人の悪知恵には本当に驚かされる。
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KFC組を愛し隊 - 、、、何だろう、この勇者のショタっぷり、、(誉め言葉) (2020年9月26日 16時) (レス) id: edd235e4c2 (このIDを非表示/違反報告)
りこ - 良い話ですね…(泣)感動しました。これからも更新頑張ってください!応援しています( ´ ∀ ` )ノシ (2017年12月23日 3時) (レス) id: 6160959f20 (このIDを非表示/違反報告)
初音♪ゆいか(プロフ) - ミファーさん» ありがとうございます^^* (2017年12月3日 10時) (レス) id: 97a168b901 (このIDを非表示/違反報告)
ミファー - 楽しみながら見ています!これからも頑張ってください!(゜∇^d)!! (2017年12月2日 21時) (レス) id: a08f22c5ed (このIDを非表示/違反報告)
初音♪ゆいか(プロフ) - カグレさん» カグレ様、初めまして。そう思って頂けて嬉しいです。どうぞこれからもこの小説を宜しくお願いします。 (2017年11月3日 21時) (レス) id: 97a168b901 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:初音♪ゆいか | 作成日時:2017年10月10日 21時