Dark&Smile (ページ7)

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午前10時。

横で眠っていたはずの彼女はいつのまにかいなくなっていた。

いつも通り学校に行ったのだろう。

枕元に置いてあるスマホで時間を確認してからLINEを開く。

通知を貯めこんでいるせいで999+の文字が消えないトークの中から唯一ピン留めをしている彼女からのメッセージを見つける。

A家先に出るね。朝ごはん作っておいたからよかったら食べてください。鍵は閉めてポストの中に入れといた。

返信はせず既読だけつけて部屋を出る。

ダイニングテーブルの上には彼女が作ったらしいおにぎりと味噌汁、卵焼きが置いてあった。

冷めてしまった味噌汁を温めなおして朝食を食べる。

ホストになってから他の女を家に呼ぶようになった。

外食に飽きてきた頃に飯を作らせてもお世辞にも美味しいとは言えないものしか作れない奴ばかりで結局コンビニで済ませることが多い。

たまに食べる彼女の朝食は店の物より遥かに美味くて彼女を家に呼ぶときの1つの楽しみになっている。

思えば付き合ったときから彼女は料理が上手だった。