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全てが変わったのは1年早く上京した私を追うようにして彼が上京してから3ヶ月が経った頃。
大学の先輩に勧められてホストになったことがきっかけだ。
最初は私も稼げるバイトくらいに軽く考えていた。
しかしホストになってからは彼が出勤の日のデートはできなくなった。
同伴出勤やアフターのために予定は空けておきたいのだろう。
彼が最初に住んでいた吉祥寺のワンルームは収入が増えるとすぐに手放され、あの大きな代々木のタワーマンションに引っ越した。
始発まで待たなくても歩いて帰れるのが便利だと話していたが、地元が田舎だった私には都会のど真ん中すぎて何だか落ち着かない。
彼一人には十分すぎるくらいの広い部屋なのに私は行く度になぜか窮屈に感じてしまう。
彼は入店してから僅か1ヶ月でナンバーワンにまで上り詰めた。
それだけ指名客の数も多いようでだんだん私と過ごす時間も減っていき、今では呼び出されたらすぐに来る完全に都合のいい女状態だ。
彼の部屋には行く度に私ではない誰かが置いたであろう女物の香水や服などが増えていった。
それでも関係が終わってしまうのが怖くていつも問い詰めることができない。
彼への愛が一方通行でも私は彼と過ごす時間が大好きで幸せだ。
それでもきっといつか来る別れに私はずっと目を背けていた。
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作者名:ゆ | 作成日時:2021年10月10日 22時