Dark&Smile (ページ16)

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午後10時。

学校終わりにバイトを終えて店を出た。

学校からの行きやすさを考えて、バイト先は渋谷の焼肉屋だ。

電車を降りて家に帰ろうかとも思ったが、今日は賄いを食べ損ねたのでお腹がすいている。

家に帰ってから作るのも面倒だし、コンビニで買って帰ろう。

駅前のコンビニに入り、ちらっとレジを見ると今日もあのお兄さんがいた。

お兄さんと言ってもおそらく私よりは年下だ。

深夜帯のバイトに高校生は入れないはずだし、それで私より年下となるともしかすると彼と同い年かもしれない。

そんなことを考えながらカゴをとり、なぜかいつもの流れでお酒コーナーに向かってしまった。

でも今日は何となく自分でも飲みたい気分だ。

彼のようにお酒に強いわけではないので、自分用に3%のチューハイをカゴに入れた。

ご飯代わりのおつまみに枝豆とチータラを選ぶ。

レジにカゴを持っていくと、やはり今日もあのお兄さんだった。

『モモの焼き鳥をタレで2本ください。』

？「あれ、今日はタバコいらないんですか？」

驚いてお兄さんの顔を見ると、少し赤くなっている。

？「あ、すみません。お客さんの買う物覚えてるとか気持ち悪いですよね、！

いつも来てくださってるし、買うものも同じなので覚えちゃってて笑」

『全然気持ち悪いとか思ってないですよ。
いつも遅くまでお疲れ様です笑
えーと、豆原さん？』

制服の胸のところには豆原と書かれた名札がついていた。

豆原「あ、ありがとうございます！」

いつもの爽やかな笑顔なのにやっぱり顔は赤くなったままで、可愛いなと思いながらお金を払って店を出る。